出版社内容情報
人類史上もっとも豊かな時代,ルネサンス期を築いた芸術家たちの生涯と全作品。初めて日本に紹介される作品図版も多数収録。新進の研究家による,新しい美術シリーズ。
目次
シモーネ・マルティーニの生涯
シモーネとトスカーナ―初期の作品
シモーネとシエナ市―高まる名声
シモーネとアンジュー家―アッシジとナポリでの制作
トゥールーズの聖ルイ
シモーネとその工房〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
46
シリーズ第5冊目は、シモーネ・マルティーニ。彼を代表する作品としては、やはりウフィッツィが所蔵する『受胎告知』だろう。構図には天使ガブリエルと聖母マリアの両脇にそれぞれ聖人と聖女を配するなど、未整理の部分もあるが、本来の主役たる2人は実に繊細にして鮮やかである。ウフィッツィに数ある受胎告知の中でも必見の1点かと思う。一方、彼の真価が最も発揮されているのは、アッシジのサン・マルティーノ礼拝堂の連作フレスコ壁画だろう。描かれた個々の人物像の表情は、もはや中世絵画からは大きく一歩を踏み出しているのである。 2013/08/23




