出版社内容情報
人類史上もっとも豊かな時代,ルネサンス期を築いた芸術家たちの生涯と全作品。初めて日本に紹介される作品図版も多数収録。新進の研究家による,新しい美術シリーズ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
45
この『イタリア・ルネサンスの巨匠たち』シリーズはチマブーエに始まる。それはひとえに16世紀の人ヴァザーリが『芸術家列伝』を「チマブーエ伝」から始め、「絵画芸術に最初の光明をもたらした画家」としたからにほかならない。ただし、チマブーエについては13世紀後半に活躍したこと以外はほとんどわかってはいない。また、残された壁画類は残念ながら損傷も褪色も激しい。板絵は幸いにも状態はいい。ビザンチン・ゴシック様式からルネサンスへの飛翔とはいうものの、その滑走路へ向かう途上といったところか。向こうには煌めきが見えている。2013/07/30
午後
2
イタリア・ルネサンスの巨匠たちシリーズは、現在入手が難しいが、掲載されている図版、解説どちらをとっても質が高く、他のルネサンス紹介本が取りこぼしがちな画家にもスポットライトが当てられていて素晴らしいシリーズだと思う。十字架像のジュンタ・ピサーノからの影響や、ドミニコ会とフランシスコ会に依頼された2枚の十字架像では、依頼主の需要に合わせて図像表現が大きく変わることが一目瞭然で面白い。個人的にはコッポ・ディ・マルコヴァルドという画家を知ることができたことが大きな収穫。美しい。2021/02/05
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