内容説明
「俺はあまりにも偉大だ」「俺は美しすぎる」―。天才か？妄想者か？蝶のように舞い、蜂のように刺す。史上初の三度ものヘビー級チャンピオン。全米を揺るがし、その後のアメリカの行方に決定的な影響を与えたベトナム徴兵拒否。三年にわたる絶望的なブランクの後の奇跡の復活。世界スポーツ史上、最も凶暴で、最も華麗、最大の騒乱を生み続けた存在、モハメド・アリの初の決定版評伝。
目次
１ 生まれ
２ エンターテイナー
３ 「俺は最高だ！」
４ アリの誕生
５ 敵
６ 「文句はないぜ」
７ 追放
８ ジョー
９ 敗北者
１０ ザイール
１１ 帝王
１２ マニラ
１３ 獅子も老いる
１４ 金
１５ 惨敗
１６ 埋葬
１７ 復活
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
井月 奎（いづき けい）
28
アリの存在は詩で、詩は一読でわかることはありません。彼の言動、試合前の大ぼら、ベトナム戦争への従軍拒否などの理解には思考を強いるのです。一つ読み解きましょう。彼は無駄とも思える慈悲を施したそうで、だまされることも多かったそうですが、アリは施し続けたそうです。何万人にそれをしたのかはわかりませんが、その中から一人、ただ一人でも「優しさ」「人の心の美しさ」を知ってくれればいいのでしょう。そしてその人がアリから受け取った花を、次の人に施すことを願っているのです。命、人の心の永遠性を彼は信じて実践したのです。2016/07/28
