内容説明
「今日も、僕の故郷レイク・ウォビゴンは静かでした」…。ささやかであるが日々を精一杯に生きる、アメリカの草の根の人たちの暮らしと精神生活を描き、アメリカの未だ知られざる魅力を伝える。
目次
故郷
我らは我らなり
兄弟会の人々
夏
冬
春
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケイ
109
作者のギャリソン・ケラーは奇才。アメリカラジオ界の三谷幸喜としておく。レイク・ウォビゴンは、ミネソタ州出身のケラーがミネアポリスから毎週発信するラジオ番組で語る架空の街だ。アメリカのどこかにありそうな、保守的で、若者が出ていきたいと思うような、でも出たら懐かしく思う愛すべき街。ちょっとしたミスで地図には載っていないが、日曜の朝には全米が、その街の人たちの様子に耳を傾ける。「生徒たちの成績はみな平均以上」…《レイク・ウォビゴン効果》という統計のまやかしの言葉まで生み出している。2016/02/04
まふ
96
アメリカミネソタ州の架空の町レイク・ウォビゴンの人々、暮らし、自然、家族、友情などを群像風に書き上げたほのぼのとした心温まる作品。作者は全米で人気ラジオ番組だった「プレーリー・ホーム・コンパニオン」のホスト役であり、ほぼ30~40年ほど前にFENラジオを聞きかじっていた私としては毎週日曜日午後の忘れられない楽しいひと時であったことが思い出されて「奇跡の邂逅」のような気分であり大感激であった。今回初めてYouTubeでギャリソン・キーラーのホンモノが見られた。懐かしい声が聞こえて嬉しかった。G1000。2023/07/14
NAO
64
ミネソタ州から全国にまで広がった人気ラジオ番組をもとにした作品。原著13篇のうちの7篇が収められている。アメリカ南部を描いた作品は多いが、トゥエインにしても、フォークナーにしても、ブラックジョークにあふれ、重たい内容が多い。だが、この作品は、登場人物誰もが愛嬌があり、南部の明るさ、素朴さにあふれている。ここに描かれる生活は、多くのアメリカ人が夢見る、アメリカの姿、アメリカでの暮らしであり、行ったこともないのに、自分がそこに住んでいるかのように思える町、それがレイク・ウォビゴンだったのだろう。 2019/01/15
syota
29
米国中西部に広がる大平原の最北に位置し、カナダと国境を接するミネソタ州。そこのレイク・ウォビゴンという架空の小さな町(作者の故郷がモデル)での人々の暮らしぶりを、四季折々の自然とともに描いた作品だ。米国の田舎といえば、フォークナーやカポーティが描いた南部、即ち人種間の格差、対立が激しく、混沌と熱気、暴力が渦巻く濃密な世界が思い浮かぶが、本書で描かれている大平原北部は全く様相が異なる。欧州系、それもドイツや北欧、スコットランドなど寒冷地からの移民が多数を占め、敬虔で勤勉だがやや生真面目な人々が暮らす社会だ→2022/08/24
tera
10
アメリカ中部の小さな街を舞台に、さまざまなエピソードが語られる。決して起伏に富むとは言えないが何とも捨てがたい味のある作品だった。元はラジオの人気コーナーだったとのこと、アメリカの懐の深さを感じるとともに、トランプ支持の中部の白人の保守層はこういう人たちなのかなと想像する。2017/02/06
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