内容説明
男の子とつきあうと、そのたびごとに花びらがむしられていくような感じがする。―現代アメリカ文学の感性、マイノットのスリリングな最新作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kaoriction
11
好きな作家の作品を読んでいる時に、好きなミュージシャンの曲にその作家名が出てくるというHappy。20代の頃に経験したそのシンクロ感は未だ色褪せない。ミュージシャン鈴木祥子は言う。「短いスケッチみたいな短編集」。本当に、スケッチを繋ぎ合わせ、かき集めたような短編集だ。今回読み返してみて、手が止まったのは『むすびつき』。最後まで読み終えてからわかるそのタイトルの意味。凄い!敢えて言葉にしないタイトル。スケッチしながらの奥行き感。そして、作品集全体に流れる孤独感と焦燥感。諦め… やっぱり今でもたまらなく好き。2012/07/14
donut
9
「ふさぎがちで、すぐに思い悩んでしまう男たち。そんな男たちがエレンの目をのぞきこむとき、彼女はなんとなく居心地の悪い思いをした。男たちが甘えたがっているのがわかったからだ」がグサリときた。著者曰く「スケッチのようなもの」であるという本短編集だが、どの作品も無駄のない洗練された短さで、最後の一文への収束が美しい。異性に対する疑心暗鬼、癒されない孤独といった主題を描く著者の人間観察眼も凄いが、とにかく文章が凝っているのが好き。「セシュ島にて」で反復される帽子のテーマや遠近法の逆転等が気になる。2019/12/11
タカラ~ム
5
4月に行われた「読んとも」で松田青子さんのオススメ本として紹介された中の1冊。若い男女の恋愛だけに限らない関係性を軸にした作品が収録された短篇集。思春期の女の子の痛々しい感じが描かれているように感じた。女の子だって、恋愛に積極的になるし、男の子と触れ合いたいしセックスだってしたい。そういう感情は、今でこそ当たり前のように表に出せるようになってきたと思うけど、本書が書かれた時代はどうだったんだろう。2014/05/01
てまり
1
恋多き女性と男性を率直に、印象的な文章で描いた本。言葉の連なりは心地よいけど描き出されたモチーフは価値付けを拒む。リアル生活だと私がすごく劣等感を持ってしまう人たちだらけの短編集で、なんかもう異世界って感じでよかった。ラストがたいがい幸福を見失ってプツンと終わるのもいい。2024/06/10