出版社内容情報
「メサイア」のみにかたよったヘンデル像を正し,バロックの巨匠の生涯と数多くの作品を当時の資料から詳細に浮きぼりにする,古楽の旗手ホグウッドの大著の全訳。
内容説明
バロック音楽の本来の響きを追求する音楽学者、そして新鮮な古楽器演奏の指揮者・指導者、世界的権威のホグウッドによるヘンデルの生涯。当時の資料を駆使して浮びあがらせた巨大な作曲家の実像。
目次
ハレとハンブルク 1685‐1706
イタリア時代 1706‐1710
ロンドン(オペラの最盛期 1710‐1728;オペラの衰退期 1729‐1737;オラトリオ 1737‐1759)
ヘンデル、その受容
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
NyanNyanShinji
2
イギリスの古楽器楽団エンシェント室内管弦楽団の指揮者であり音楽学者のクリストファー・ホグウッドが本書の著者。演奏家としてのヘンデルの楽曲分析は無くてただただヘンデルの生涯と死後の受容を文献資料に頼って描く。いささか訳文が硬いからなのか原著からそうなのか,主語や話者がよくわからず読んでてストレスを感じることはあった。しかしこの本を通じてドイツのハレに生まれたヘンデルが如何にイギリスで活躍して,その地の人たちに愛されたり憎まれたりしたかがよくわかった。それにヘンデルの順応性が高くも頑固な人となりもよくわかった2023/12/26
Tsuyoshi
0
現時点で最良のヘンデルの伝記とされている本。書簡や同時代人の証言からの引用が多く、演奏習慣について興味深いものもいくつかあった。本文も含めイギリス流のユーモアが頻出するので読んでいて飽きない。難点は、やや注にアクセスしづらいところ。2024/03/13