出版社内容情報
ファウストは,ルネサンス期ヨーロッパを徘徊した実在の魔術師だった? 民衆の英雄としてのファウスト伝説の虚と実,ゲーテらの文学化,生誕記念祭など,500年の転生の姿を辿る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
明智紫苑
6
中国の春秋時代と戦国時代とでは、アーサー王伝説とファウスト伝説ほどのムードの違いがある。そして、史実のファウスト博士を蘇秦や張儀に例えるなら、ゲーテのファウスト博士は呉起や商鞅だ。『史記』の呉起列伝はまるでゲーテの『ファウスト』の雛形のようだし、マーク・トウェインの『アーサー王宮廷のコネチカット・ヤンキー』はアーサー王伝説の皮をかぶったファウストものだろう。2017/11/21
明智紫苑
4
ブログなどに投稿する記事を書くために読了。日本においては、ファウスト伝説は三国志やアーサー王伝説ほどの人気はないが、それでも「漫画の神様」手塚治虫氏の三つのファウスト漫画がある。その中では、私は『百物語』が好きだが、そのアーサー王伝説版として、幻超二氏の『大唐騎士』(講談社)があった(作者のペンネーム通り、幻の漫画だが)。長谷川氏自身のこの漫画は、ファウスト伝説の様々な発展について解説する本だが、マーク・トウェイン『アーサー王宮廷のコネチカット・ヤンキー』もファウスト的な話だよね。2025/05/13
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