出版社内容情報
昭和11年から昭和14年まで。二・二六事件、日中戦争、国家総動員法。「戦争の時代」の始まりを告げる、『昭和天皇実録』公刊本の
『昭和天皇実録』は、宮内庁において平成2年より24年の歳月をかけ編修され、平成26年8月、本文60巻が天皇皇后両陛下に奉呈されました。
明治34年の御誕生から昭和64年の崩御に至るまでの89年間、「激動の時代」を生きた天皇の御事蹟、そしてそれにまつわる日本の政治、社会、文化などを余すところなく記述。
そこにはこれまで知られていなかった昭和天皇の生きた御姿とその時代が、生き生きと記されています。
・『昭和天皇実録 第七』(昭和十一年~昭和十四年)の内容
記録的な大雪が続いた帝都において、二・二六事件が発生、信頼する重臣が銃弾に斃れる。
昭和天皇は断固たる決意をもって鎮圧を命じた。
翌年7月、盧溝橋の発砲事件をきっかけに中国との全面戦争に突入する。
大本営設置、国家総動員法公布など、戦時体制は着々と整えられてゆく。
激動する内外の情勢のなか、昭和天皇がいかに行動されたかを記す。
内容説明
記録的な大雪が続いた帝都において、二・二六事件が発生、信頼する重臣が銃弾に斃れる。昭和天皇は断固たる決意をもって鎮圧を命じた。翌年七月、盧溝橋の発砲事件をきっかけに中国との全面戦争に突入する。大本営設置、国家総動員法公布など、戦時体制は着々と整えられてゆく。激動する内外の情勢のなか、昭和天皇がいかに行動されたかを記す。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
114
この第7巻は昭和11年から14年までの出来事が収められています。ある意味、かなりの激動期であったということが言えるのではないでしょうか?11年の2.26事件を手始めに、12年の盧溝橋事件、14年のノモンハン事件などが立て続けに起こる感じです。特に、2.26事件のときには今までにあまり読んだことのない情報が入っています。陛下がだれから報告を受けどのように対応されていたかがよくわまります。やはり生の情報の迫力というものは大したものだと感じました。2016/06/29
ぐうぐう
18
『昭和天皇実録』第七は、昭和11年から14年までの記録が収められてる。日中戦争が始まる(勃発時は「北支事変」と呼ばれていたが、昭和12年9月2日の閣議で「支那事変」と呼称される。もちろんそのことも実録には記載されている)ものの、太平洋戦争前であり、比較的穏やかな記載も多い。例えば、昭和11年2月5日は、54年ぶりとなる大雪が東京を見舞い、裕仁は内庭にて侍従達とスキーを楽しんでいる。翌12年1月には、侍従甘露寺受長発案による貝カルタなる遊びもしている。(つづく)2016/11/17
おおとろ|内省的ストーリーテラー
5
☆☆☆☆☆ 再読2023/08/27
もくもく
3
昭和11~14年 2.26事件(11年)からドイツのポーランド侵攻(W.W.2の開戦:14年9月1日)までの記録とも言えます。 前巻での5.15事件の記述がかなり素っ気無かったのに比して、2.26については記録が詳細であり、誰からどうやって宮中に情報が届き、それに陛下がなんと返答したかも記述されています。そしてかなり早い段階から、陛下は陸軍の動きに不快や疑念を示されていたようにも読めました。終戦時に活躍するあの鈴木貫太郎が天皇の働きかけもあって2.26で一命を取り留めるのも、歴史の不思議な所です。2016/06/16