内容説明
深い哲学を述べた経典の真理の世界と菩薩行を説く。
目次
第1章 真理の世界―『華厳経』(一)(『華厳経』と東大寺の大仏;『華厳経』のなりたち ほか)
第2章 菩薩行の強調―『華厳経』(二)(初発心時に正覚を成ず;唯心偈―一切は心から現れる ほか)
第3章 善財童子の求道―『華厳経』(三)(善財童子が道を求める;さとりを求める心 ほか)
第4章 唯心の実践―『楞伽経』(禅宗への影響;ラーヴァナによる仏の勧請 ほか)
著者等紹介
中村元[ナカムラハジメ]
1912年、島根県松江市に生まれる。東京帝国大学文学部印度哲学梵文学科卒業。東京大学名誉教授、東方学院院長、比較思想学会名誉会長、学士院会員などを歴任。文化勲章受章。1999年逝去
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Yoshi
0
華厳経と楞伽経の書き下し文の解説が書いてある。 華厳経は廬舎那仏の印象で華々しい印象があるが、読んでいて仏教の基本的な事項が描かれており、エッセンスがここからきているのだなと感じた。 楞伽経は禅の初期に重宝されたとの事で、再度読み返し色々考えてみようと感じた。 六十華厳ある中の十地品、入法界品が重要で、入法界品の善財童子が話に行く物語等はもっとしっかり読んで見たい。2023/08/01
Ind
0
ある物は単体として存在するのではなく、因縁によって現れているだけだという思想はかなり気に入っており、現代物理学と似ているのも面白い。善財童子の旅で娼婦から話を聞く場面で娼婦が美しすぎて煩悩が消えるのが印象的で、真理とはこういうものかと直感的にわかった気がした。楞伽経は少し難しいと感じたが、阿頼耶識や十二因縁といった原因を深掘る考え方には何か重要な事が含まれている気がするので簡単な解説を読もうと思う。2021/07/07