内容説明
日本で最初に「イラストレーター」を名乗り、「イラスト」の新語を世に広めた著者は、戦後初の世界一周無銭旅行を敢行したパイオニアでもあった。昭和初期の大恐慌時代に生まれ、少年兵として戦時下を過ごし、戦後は一転、自由な一匹狼として出版界や文壇と交わりながら画業を貫いてきた著者の目に、「昭和」の世相や人々の生き方はどう映ったのか。時代の波に流されて、自らも流れ泳いで八十五年…。波乱に富んだ人生の大事なシーンを振り返りつつ、絵と「つぶやき」とで再現した108編が、孫たちの世代にも伝えたい「昨日の昭和」を照らし出す―。
目次
第1章 東京・銀座の昭和っ子
第2章 軟弱少年の軍国時代
第3章 戦後が育んだ夢
第4章 先駆けの世界無銭旅行
第5章 花咲く新文化とともに
第6章 ソンブレロは風まかせ
第7章 昨日の昭和
第8章 諦観のなか絵筆は止まず…
著者等紹介
長尾みのる[ナガオミノル]
1929年、東京生まれ。早稲田大学(旧)工芸美術研究所卒業。57年、完成したての国産カラー印画紙で日本初の「カラーフォト・デザイン展」を開き、初のアートディレクターに。また、ほぼ同時期に放送作家・永六輔とのコンビで開始した『アサヒグラフ』連載の作品が、新語の「イラスト」を流行させ、初のイラストレーターとなった。1976年、講談社出版文化賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
- 評価
本好きkotaの本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ワタナベ読書愛
1
日本で最初に「イラストレータ」を名乗り、絵やデザインの仕事の第一人者であり続けた筆者の、生い立ち~85才の現在までの体験を綴った随筆。昭和4年(1929)に東京の銀座あたりに生まれ、昭和という時代を全力で体験し、当時としては珍しい外国旅行の先駆けとなり、常に新しいことに挑戦し続けた人生は、波乱万丈。淡々とした語り口とは対照的な激動の体験の数々が印象的。庶民の昭和史としても価値ある一冊。時代の空気を感じ、あちこちに飛び回る疑似体験ができた。多くの素晴らしい人に恵まれた幸せな道のりを辿れる読者は幸せだ。 2020/11/11
-
- 和書
- 人種と歴史 (新装版)