内容説明
夏目漱石の最後の長編『明暗』から解き明かされる百年の日本語の世界―。津田とお延の夫婦の会話と、その周囲の人々のことばの心理に迫りながら、人と心の関係が織りなす“明”と“暗”をあぶり出していく。未完に終わった結末に向け、漱石が配した「ことばの伏線」も明らかにする。
目次
第1章 御帰り遊ばせ
第2章 夫を千里眼で見抜ける?
第3章 突然疑惑の焔が…
第4章 愛と虚偽
第5章 吉川夫人の思惑
第6章 「そりゃ嘘だ」「どうして嘘なの」
第7章 一通の手紙
第8章 湯治場の中心点なる清子
著者等紹介
小林千草[コバヤシチグサ]
1946年生まれ、京都育ち。東京教育大学大学院文学研究科修士課程修了。東海大学文学部特任教授。博士(文学)。1985年に佐伯国語学賞、2002年に新村出賞を受賞。千草子(せん・そうこ)の筆名で小説・評論も書く(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
マカロニ マカロン
1
個人の感想です:B。読み終わった本登録699冊目。本当はこちらが700冊目なのだが、キリ番は漱石先生に敬意を表して一時保存。『明暗』は1916年の朝日新聞連載小説で未完に終わっているが、100年前の文章とは思えぬほど読みやすい。しかしながら、さすがに時代背景が違いすぎるため、夫婦の会話とか女性の立場とか現在では理解不能な部分もあり、言語学的にも男女の力学的な問題にも踏み込んで解説され、より理解が深まりました。本編ではさらっと読み飛ばした部分に実は重要な伏線になりそうなことが隠されているのが理解できました。2016/06/09
-
- 電子書籍
- DNAが叫んでる ~ずっと永遠に愛して…