出版社内容情報
現在、地球上に生息する生物の種類はどのくらいだろうか?私たち人類を含む真核生物だけでも、その数は500万にのぼるといわれている。このように膨大な数の生物を人類はどのように分類してきたのだろうか?これほど膨大なものを対象にして分類するとなると、しっかりとした基礎を築き上げる必要がある。そうでなければ混乱するだけである。そこでまず人類はこれまでどのように生物を分類してきたのかをたどることにする。
目次
第1章 分類のはじまり
第2章 分類学の母
第3章 分類学の体系化―分類学の父‐リンネ:種は個別に創造された
第4章 種は進化する‐ダーウィン
第5章 ダーウィン批判―ハクスリーとグレイによる批判:自然選択では種間雑種の不稔性を説明できない
第6章 ダーウィンの回答:批判のすべては将来の課題で、自然選択説にとり致命的ではない
第7章 ダーウィンの難問:眼のような複雑で精巧な器官の出現を自然選択で説明できるのか
第8章 生物学的種の概念:生い立ちと変遷
第9章 種概念の乱立:分岐分類学の出現―分岐分類学批判
第10章 分類学の課題:普遍的種概念を求めて
第11章 まとめ
著者等紹介
相見滿[アイミミツル]
1943年旧満州国佳木斯(ジャムス)市生まれ。理学博士。分類学。2006年京都大学霊長類研究所定年退職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ヤーミール
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人間がどのように生物を分類してきたか、進化論や系統進化学の登場と分類学の関係について述べた本。論文のように書かれていて読みやすくはないが、1文1文が濃くて興味深かった。リンネが特殊創造説の支持者だった(だからこそ種を完全に分類できると考えた)というのが面白かった。分類中に様々な例外に遭遇したリンネが特殊創造説を疑い始めたり、進化論のダーウィンが反論に対して充分に回答できず特殊創造説を示唆する文を「種の起源」に追加したり、淡々とした文で意外とドラマチックなことが書かれていた。2019/05/08
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