目次
第1章 動く大地:地震とプレートテクトニクス
第2章 巻尺で届かない距離をどう測るか
第3章 宇宙測地技術で大陸間の距離を測る:大鑑巨砲の80年代(SLRとVLBI)
第4章 宇宙測地技術でとらえられたプレート運動
第5章 4つの衛星で位置を測るGNSSと海底測位:宇宙測地技術が身近になった90年代
第6章 GNSSによる高密度な観測と日本列島の動き
第7章 基準座標系と地球回転変動
第8章 宇宙測地技術の将来
著者等紹介
河野宣之[カワノノブユキ]
1945年大分県生まれ、1968年九州大学理学部物理学科卒、理学博士。郵政省電波研究所、九州東海大学教授、国立天文台教授をへて現在名誉教授。電子通信学会業績賞(1986)。専門は宇宙技術による測地学及び電波天文学
日置幸介[ヘキコウスケ]
1957年高知県四万十市生まれ。1984年東京大学大学院地球物理学専門課程修了、理学博士。郵政省電波研究所、ダラム大学、国立天文台をへて2004年より北海道大学教授。専門は測地学と地球惑星物理学。日本測地学会会長(2015‐2019)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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月をみるもの
11
つくばでは、JAXAに行けばレーザー測距のターゲットとなった「あじさい」 衛星が展示してあるし、こないだまでは地理院に VLBI のアンテナもあった。。しかし、いまの測地手法のメインは GPS を利用した GEONETに移行しつつある。 キネテッィクにすれば、地震計としても使えるほどの精度を持ち、震災の時には、地球を一周してから届いた揺れや、自由振動までも捉えている。いま、この本を読んで勉強できる若者がうらやましい。。2018/01/13
yyrn
9
宇宙の天体や人工衛星を使った測量技術が「地球の動き」を正確に把握することにつながって、地震や津波対策に役立っていることが判って非常に面白かった。つまり、「昨今の測量学は時間変化の観測研究となり、退屈な学問から地球科学の最先端に様変わりした」ということらしい。ふむふむ。しかし、クルマのGPSは単独測位で十数mの精度だが、地球の様々な「ゆらぎ」(重力や楕円軌道、月や太陽の引力、潮汐、大気等)を高度な技術を駆使して消し去る二重相対測位では数mmの誤差まで精度を上げられるって、ちょっとスゴイ!2018/03/24
yasu7777
1
★★★☆☆ 人類の科学技術進歩の速さに改めて感動します。また、地球のダイナミズムにも感嘆。2018/01/06
舌噛
0
基準電波源やGNSSによる位置確定の原理、海底基地局を用いたプレート移動の観測、地球の歳差運動や極運動、うるう秒に至るまで地球の測り方について一通りの知識を得ることができた。3.11のときのデータ分析によってこれらの技術がどう生かされているのかも知ることができた。一方数式が少なめなので物足りなさを感じた。2018/03/20