オデュッセウスの記憶―古代ギリシアの境界をめぐる物語

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  • サイズ B6判/ページ数 450p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784486019503
  • NDC分類 231
  • Cコード C3022

出版社内容情報

オデュッセウスを旅の案内人とし古代ギリシャの人類学的歴史および長期の文化史を探求、ギリシャのアイデンティティの輪郭を記す。ギリシャ神話の英雄と称されるオデュッセウス。「体験者」である彼を旅の案内人とし、その案内に従い古代ギリシャの人類学的歴史および長期の文化史を探求する。そしてその旅を通してギリシャのアイデンティティの輪郭を記す。

序─旅する人と境界人



第1章 オデュッセウスの帰還

 旅と帰還

 人間分別学

 イタケーへの帰還

 名前の旅



第2章 エジプトの旅

 エジプトを見る

 ギリシア人の視線

 エジプト、最初の文明普及者?

 三倍偉大なるヘルメースからシャンポリオンへ



第3章 バルバロイの発明と世界の目録

 バルバロイとギリシア人

 世界を表象する

 中心と辺境

 アレクサンドリアから世界を見る



第4章 ギリシアの旅

 元祖 アナカルシスの旅と境界の忘却

 内側の境界あるいは日常の差別

 アルカディアの果て

 ローマとギリシアの間のアレクサンドロス



第5章 ローマの旅

 ポリュビオスの旅

 ハリカルナッソスのディオニューシオスの旅

 ストラボンとアエリウス・アリステイデースの旅



結び─アポロニオースの記憶とピュータゴラースの名前



抄録 オデュッセウス、『オデュッセイアー』、そして『オデュッセウスの記憶』

 はじめに─オデュッセウスとは何者か。

 ホメーロスの戦略─『オデュッセイアー』を読む

 ヒュブリス

 結びにかえて

フランソワ・アルトーグ[フランソワ アルトーグ]
フランソワ・アルトーグ
仏・社会科学高等研究員研究主任(古代・近代歴史学)

葛西 康徳[カサイ ヤスノリ]
葛西 康徳
東京大学文学部教授(西洋古典学)

松本 英実[マツモト エミ]
松本 英実
青山学院大学法学部教授(西洋法史)

目次

序章 旅する人と境界人
第1章 オデュッセウスの帰還(旅と帰還;人間分別学 ほか)
第2章 エジプトの旅(エジプトを見る;ギリシア人の視線 ほか)
第3章 バルバロイの発案と世界の目録(バルバロイとギリシア人;世界を表象する ほか)
第4章 ギリシアの旅(元祖アナカルシスの旅と境界の忘却;内側の境界あるいは日常の差別 ほか)
第5章 ローマの旅(ポリュビオスの旅;ハリカルナッソスのディオニューシオスの旅 ほか)
結章 アポローニオスの記憶とピュータゴラースの名前

著者等紹介

アルトーグ,フランソワ[アルトーグ,フランソワ] [Hartog,Fran〓ois]
1946年7月17日アルベールヴィル生れ。Ecole Normale Sup´erieure(Ulm)卒。1971年アグレジェ(歴史学)。1979年文学博士(Docteur d’Etat)。1975‐1987年ストラスブール大学・メッス大学にて助手、助教授、教授(ギリシア史)。1987年社会科学高等研究院研究主任(古代・近代歴史学)

葛西康徳[カサイヤスノリ]
1978年東京大学法学部卒業。1992年Ph.D.学位取得(ブリストル大学古典学)。2011年東京大学文学部教授(西洋古典学)

松本英実[マツモトエミ]
1988年東京大学法学部卒業。2002年Docteur en droit学位取得(パリ第二大学)。2013年青山学院大学法学部教授(西洋法史)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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ミムロ犬

4
オデュッセウスのみならず、ヘロドトス、アナカルシス、パウサニアス、アポロニオス等々彼らの足跡がそこから二項対立を導き出す多くの境界を設定したことに着眼する。最近めでたくも復刊した『古代ギリシア人―自己と他者の肖像』(P.カートリッジ)と隣接したテーマを扱うが、より時間的にも空間的にも広い対象を持っている。言ってしまえばテーマ自体は月並みなものだが、この対立項自体が<主/客>の基礎部も含め変化自在で捉え難いにも関わらず地域・時代を問わず深く掘り下げており、読んでいて興味が尽きることがない。2020/05/05

Go Extreme

1
旅する人と境界人 オデュッセウスの帰還:旅と帰還 人間分別学 イタケーへの帰還 名前の旅 エジプトの旅:エジプトを見る ギリシア人の視線 エジプト、最初の文明普及者 3倍偉大なるヘルメースからシャンポリオンへ バルバロイの発明と世界の目録:バルバロイとギリシア人 世界を表象する 中心と辺境 アレクサンドリアから世界を見る ギリシアの旅:アナカルシスと境界の忘却 内側の境界あるいは日常の差別 アルカディアの果て ローマとギリシアの間のアレクサンドロス ローマの旅2021/06/24

水紗枝荒葉

0
「境界の設定」「他者との遭遇」「旅」をテーマにした古代ギリシャ文化論。といってもその射程は広く、近代ヨーロッパまで扱う。『オデュッセイア』は全編で横糸として重要な役割を果たすが、『オデュッセイア』論と言えるのは第1章と訳者解説だけなのでその点は注意。2024/06/25

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