内容説明
内外のインカ研究者18名が考古学、建築、美術史学、エスノヒストリー、言語学、自然人類学(生物考古学)、織物研究からインカ帝国の全貌に迫る。
目次
序論
テキストを通して見るインカ:一次史料
インカの言語
DNAから見たインカの起源
インカ国家の起源
ペルー高地におけるインカ帝国の意図と考古学的現実
インカ帝国の経済的基盤
モライ遺跡とインカのコスモロジー:天文、農業、巡礼
紐の国家 キープによるインカ帝国の行政
インカの美術〔ほか〕
著者等紹介
島田泉[シマダイズミ]
南イリノイ大学カーボンデール校人類学科教授。同大の優秀研究者(Distinguished Scholar)に認定されている。先スペイン期アンデスの複合的な文化を対象として、考古学、工芸品生産の技術と組織、墳墓分析、環境と文化の相互作用などを中心に研究している。ペルーのフェレニャフェにある国立シカン博物館の創設者
篠田謙一[シノダケンイチ]
国立科学博物館人類研究部人類史研究グループ長。専門は分子人類学。古人骨のDNA分析を通して人類の起源と拡散や集団の成立の問題に取り組んでいる。日本およびその周辺の諸国での発掘調査を行い、日本人の起源の問題について研究を進めている。また島田泉と共同でアンデス先住民の遺伝的な特徴の解明を目指している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Koning
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国立科学博物館叢書シリーズ。サブタイトルの研究のフロンティアというのが指すとおりインカ研究の最前線に近い論文が集まっている上に、なんと日本語(笑)。中南米関係の論文といえばスペイン語が必須なところで非常に厳しいものがあるんだけれど、これはありがたいです。一応民族、歴史、言語、経済、服飾等一通りインカ帝国についての研究の最前線と大体のコモンセンスはこういう感じというのがわかる。参考文献リストも充実していてこの価格にしてこの大容量(笑)。かなりお勧めしちゃいます。いざとなれば武器にもなる重さだし2012/06/12