内容説明
しくまれたデザインが秘めた、無気力で巧みな生存戦略を解き明かす。腕足動物の不思議な生き様に迫る、日本初の一冊!
目次
第1章 古生物の研究(化石の研究がしたい;始まりの地は宮城県気仙沼市 ほか)
第2章 腕足動物(腕足動物を題材に;腕足動物ブリーダー ほか)
第3章 海外の一級標本に触れる(初めてのスウェーデン調査;ヴェステルイェーテランド ほか)
第4章 化石から生物像を探る(化石に付加価値を見いだす;凹凸形の殻形態 ほか)
第5章 再び海外にて(北米古生物学会への参加;全か無かの評価―国際腕足動物学会 ほか)
第6章 凹凸形の殻、進化(形態×機能;エピローグ)
著者等紹介
椎野勇太[シイノユウタ]
1981年生まれ。東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻博士課程修了、博士(理学)。日本学術振興会特別研究員(国立科学博物館)を経て東京大学総合研究博物館特任助教。東京農工大学・埼玉東萌短期大学・東京学芸大学の非常勤講師も兼任中。2008年日本古生物学会論文賞受賞。2010年第6回国際腕足動物会議The Award of the Alwyn Williams受賞。2011年日本古生物学会第160回例会優秀ポスター賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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thinkeroid
2
積み上がる標本とレゴブロック。「おまえ、これ筋肉痕じゃないぞ」先生の一言で物語は急展開をみせる。うなるエンジンカッター、君にも読めるクリノメーター。「解析しちゃえば?…椎野君、学問とは気合だよ」激突する東西の碩学、ラスボスとの対決。その物語はまるで、サルカスの水流のように、渦を巻いて、数値解析モデルのように、収束の大団円へと注ぎ込む。流入か、排出か…いま、あなたはイキイキした化石を目撃する。2013/09/23
isbm
1
★★☆2018/06/20
T.Y.
1
図鑑で見た覚えはあるものの詳細は知らない「腕足動物」の研究。ただし著者が扱うのは多少知名度のあるシャミセンガイではなくチョウチンガイと、何よりも化石種。定説を覆す筋肉復元。この殻の形は、水流を利用して受動的に水を取り入れるための仕掛けだったのか。本書中で指摘される通り、化石生物の復元に「安易なアナロジー」が多いのは事実だけに、化石生物学研究のモデルケースとしても非常に興味深い。2013/10/08
R10
1
筆者の引きの強さも感じたが、それは確かな知識量に基づくものだろう。だってそれがチャンスだと気付かないと掴めないからね。チャンスの神様は前髪しかない、とはよく言ったものだ。2013/08/27
a._v._e
0
★★★☆☆2017/12/15