目次
第1章 デカルト―中世的人間観の超克
第2章 スピノザ―人間の「擬人的」理解への批判
第3章 ヘーゲルの人間観―自由であるということは?
第4章 ニーチェ哲学における主体の存続の可能性
第5章 マルクスの人間観―「全体的存在」としての人間
第6章 エミール・ゾラ―変動する社会における“人間”
第7章 「トレンディ作家」としての田山花袋
第8章 サン=テグジュペリからサルトル/カミュ論争へ―行き詰まった人間主義
第9章 三島由紀夫の人間観
第10章 アラン・ロブ=グリエ―人間と世界の新しい関係へむけての試み
第11章 安野モヨコ作品の人間像―高度消費社会における「ラブ」
著者等紹介
田上孝一[タガミコウイチ]
1967年生まれ。立正大学非常勤講師。博士(文学)
黒木朋興[クロキトモキ]
1969年生まれ。上智大学非常勤講師。文学博士
助川幸逸郎[スケガワコウイチロウ]
1967年生まれ。東海大学・横浜市立大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
マウンテンゴリラ
1
人間というものが、一義的に定義できるものでもなく、かといって、自由な解釈をもって野放しにしておいて良いほど、環境に対しても、他の生物に対しても、また、同類である他人に対しても優しいものでもないということをあらためて感じさせられた。文学はもとより、普遍的な真理や解釈を求め続けてきた哲学においてさへ、人間にとって最もふさわしい価値観を提供することがかくも困難である事を、驚くべき事、そして、その一員でもある自分自身の存在について、もっと真剣に考えるべきであることを教えられた。2014/08/21
鵜殿篤
0
【感想】人間というものを考えるときの対立軸として、「普遍性/個別性」「全体性/断片性」「一貫性/変幻性」「単独性/集団性」という図式を描くとして。それぞれの二項対立において、前者がいわゆる近代性の指標であるのに対し、後者は前近代もしくは後近代の指標ということになる。2018/03/10