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内容説明
作曲家リヒャルト・ワーグナーが打ち立てた綜合芸術の理念は、人間存在の神話的基底を深々と抉り出す楽劇「ニーベルングの指環」をはじめとする気宇壮大な作品群に結実し、世界中の音楽ファンを魅了し続けている。その音楽を介した詩作と思索の結晶は数千年におよぶヨーロッパ文化の集大成であると同時に、「未来」を先取りする革命的なアヴァンギャルド宣言であり、それゆえにこそ歴史を動かす魔性の力を発揮し、激動の20世紀を映し出す鏡ともなった。2000年紀を迎えて混迷の内に見失われたアルカディアを求めながら、なお光明の見い出せぬ今日、ワーグナーという世界史的事件には人類のユートピアを考え抜く貴重なヒントが盛り込まれているのではないか…そんな思いをこめて、最先端の研究成果と内外の最新情報を満載した『年刊ワーグナー・フォーラム』をお届けする。
目次
『コジマの日記』抄(一)
ワーグナー演出の地層(一)―「ニュルンベルクのマイスタージンガー」
失われた原像の探究―ワーグナーとギリシア悲劇
ワーグナーとファンタジー文学―『指環』から『ロード・オブ・ザ・リング』まで
解体から再創造へ―ゲルマン神話とワーグナー
発見!ワーグナーの未公開書簡が日本に!!
トネリコの木に象徴させた世界史の破局―ベルリン国立歌劇場二〇〇二年来日公演ハリー・クプファー演出による「ニーベルングの指環」
出発、それとも終焉?―バイロイト音楽祭報告二〇〇一
鼎談 舞台のうえのポスト・モダン―国内ワーグナー上演二〇〇一
海外ワーグナー上演二〇〇一
国内ワーグナー文献二〇〇一
海外ワーグナー文献二〇〇〇/二〇〇一