出版社内容情報
北海の孤島、アイスランドに花開いた異色の散文文学「サガ」５作品を収める。〈フレイル神ゴジ〉フラブンケルのサガ／ヴァープナフィヨルドのサガ／ほか
目次
“フレイル神ゴジ”フラヴンケルのサガ
ヴァープナフィヨルドのサガ
ドロプラウグの息子たちのサガ
バンダマンナ・サガ―欺かれた首領たちの物語
“赤毛”のエイリークルのサガ
著者等紹介
菅原邦城［スガワラクニシロ］
１９４２年生まれ。１９６６年大阪外国語大学卒業。その後コペンハーゲン、ウップサーラ、アイスランドの各大学に学ぶ。現在、大阪外国語大学地域文化学科教授、日本アイスランド学会会長
卓勝巳［ハヤノカツミ］
１９４１年生まれ。１９７３年慶応義塾大学文学研究課博士課程修了。元慶応義塾大学商学部教授、元日本アイスランド学会会長、元日本アンデルセン協会常任理事。１９９８年１月逝去
清水育男［シミズイクオ］
１９４９年生まれ。１９７２年東京外国語大学卒業。１９８６年ウップサーラ大学大学院ノルド語学科博士課程退学。現在、大阪外国語大学地域文化学科教授、日本アイスランド学会事務局長
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感想・レビュー
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Ｋ子
4
★４。『〈フレイル神ゴジ〉フラヴンケルのサガ』『ヴァープナフィヨルドのサガ』『ドロプラウグの息子たちのサガ』『バンダマンナ・サガ』『〈赤毛〉のエイリークルのサガ』の中篇５本収録。巻頭のアイスランドの細かい地図が良かった。フラヴンケルのサガ以外は西暦１０００年前後の話らしく、やっぱアイスランドにとっては大きなターニングポイントだったんだろうなあ、と。確かにキリスト教とアースの信仰がどっちつかずでせめぎ合っている感じではあった。2018/06/29
サアベドラ
4
中編サガ5編を収録。サガとしての完成度が一番高いのはたぶん『フラヴンケルのサガ』。起承転結がはっきりしていて、登場人物の書き分けもしっかりしているので読みやすい。爺さんが倅を無罪にするためにあの手この手で活躍する『バンダマンナ・サガ』は、サガの王道展開を逆手に取った面白さがあるけどその分玄人向けかも。北米大陸探検の顛末を描く『赤毛のエイリークのサガ』は、幸村誠の漫画『ヴィンランド・サガ』の主人公トルフィン（ソルフィン）が後半の中心人物。漫画とはほとんど別人だけどファンなら読んでみてもいいかもしれない。2012/09/18
アントモーサ
2
五年に一度は読み返す。雄姿の風が吹く。2017/02/21
はっせ
0
いわゆる「北欧らしさ」はあまり感じられなかったが、読んでいるうちに言葉が支配的な力を持つ世界観が見えてきた。ゴズオルズ（首領としての地位・権力）を人から人へ預ける際も口上のみでやり取りが成されているし、生死に関する予言や仄めかしは大抵当たってしまう。それから、戦闘シーンでは偶に意表をつく暴力的な描写が挿入されているあたりも気に入った。 2013/07/07
さいうら
0
図書館本。リズムを掴んでしまえばスルリと入り込める世界でした。2009/10/14
