内容説明
本書は、前編「序論篇」と後編「研究篇」とから成る。「序論篇」では、劉向『列女伝』について、書の成立に関する従来の学説の問題点等も整理しつつ、これを劉向の手に成る書と見るべき積極的理由を指摘し、書の伝来に説き至る。次に「研究篇」とも照応させつつ、伝記全てを類型的に分別し、この書の諸特質を具体的に析出して、伝記に託された作者の思想を確認するに到る。かくして実質的な面からも、この書が劉向の著述というに相応しい独特の性格を具えていることを論証しようとしている。
目次
序論篇(『列女伝』の成立と伝来;『列女伝』の特質;『列女伝』と三家詩の関係について―『列女伝』魯詩説への疑義)
研究篇(巻1 母儀;巻2 賢明;巻3 仁智;巻4 貞順;巻5 節義;巻6 弁通;巻7 〓嬖)