内容説明
本書が考察の対象とした時期は、主として1968年7月の核拡散防止条約(NPT)成立の前後から、現在に及んでいる。25年の有効期間をもつこの条約は、米ソ両国関係の激しい転変にもかかわらず、両国によって断乎堅持されて現在にいたっているものである。したがって、本書の取り扱う時期の諸々の論点は、今後に予想される軍備管理・軍縮交渉の新たな展開への基礎を形づくっているものである。
目次
第1部 「核兵器不拡散体制」の成立(核拡散防止問題の登場;核拡散防止条約の成立と核・非核兵器国;海底の軍事利用禁止問題―海底軍事利用禁止条約の成立)
第2部 戦略兵器制限交渉(戦略兵器制限交渉〈SALT〉の展開;第1次戦略兵器制限交渉の結実―頂上での安定;第2次戦略兵器制限交渉―長い模索の始まり;難航つづくSALT‐2交渉―ニクソン=フォード時代からカーター新政権へ;SALT‐2〈第2次戦略兵器制限交渉〉の妥結)
第3部 開発途上国の核開発(中国の核開発―後発核国の行動様式;中国の「国防建設」と中ソ関係―「核」大国の行動様式;インドの核爆発―発展途上国の核開発の軌跡;ブラジルの核開発)
第4部 軍備管理・軍縮の諸様相(米ソ軍拡競争の現段階―MADとSDIの狭間で;米ソ軍備管理交渉の展開―合意を阻む均衡と削減の二筋道の追求;「中欧相互兵力削減交渉」の展開―ゴールの見えぬ駆引き;記録・国連軍縮特別総会―準備から最終文書まで;第2回国連軍縮特別総会;もう1つの闘い―中東への武器輸出;フィンランド国防政策の形成と展開―議会国防委員会の報告書を中心に;国連の平和ランドの事例を中心に;西ドイツの防衛法制―軍事独裁への特異な予防的規制;ソ連の軍事戦略と海上兵力―海洋国家ソ連の登場;日本における防衛力整備構想―「防衛白書」を中心に)
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- 和書
- 滅びゆく日本人 〈2〉



