内容説明
冷戦が終結してもなお覇権国の幻想にしがみつくアメリカ。経済大国としてその名を世界に知らしめながら、次の目標を失った日本。「次なる世紀」をわれわれはどう生きるか―。
目次
歴史の大転換
挫折したオーウェル的世界
期待と混迷の交錯する東欧
冷戦のダイナミズム
「アメリカの世紀」の終焉
日本―経済大国の新たな定義
はびこる幻想・行くあてのない豊かさ
赤の広場に映し出されたアメリカの姿
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
shiaruvy
5
★3.5 関連:[京セラ・稲盛和夫] 併読:「一九八四」「すばらしい新世界」「自壊する帝国」「世界を震撼させた3日間」「ロシアの自由経済」 内部破裂するソ連の出来事を通して、冷戦政治力学・孤立主義国家の対立・共産主義国と国際主義国は表裏一体・冷戦のレトリックを暴き出したアメリカ幻想への批判の書。 ジャーナリストらしく[娯楽化するテレビニュース]への批判は秀逸。 豊さのあとで何をするのか!?これからの日本の在り方を考えさせられた。2011/11/01
sasha
1
「戦争の世紀」「アメリカの世紀」「石油の世紀」と呼ばれた20世紀から、唯一の強大国・アメリカの威光が陰りを帯び始めた21世へ。貧富の差の拡大、スプートニク並みの金融危機の再来等々、予言のようになってしまった指摘も多い。アメリカが安全保障最優先で突っ走った姿は、現在の日本に重なりやしないか。あぁ、不慮の事故で亡くなることがなければハルバースタムはイラク戦争を題材にした作品を執筆していたはずなのに…。永遠に読むことが出来なくなって残念。2014/09/21