CEMH文庫
兄の終い

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  • サイズ A6判/ページ数 176p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784484221403
  • NDC分類 916
  • Cコード C0195

出版社内容情報

\映画『兄を持ち運べるサイズに』原作/
※書き下ろしの「文庫版あとがき」を収録

一刻もはやく、
兄を持ち運べるサイズにしてしまおう。

憎かった兄が死んだ。
残された兄の元妻、娘と息子、
私(いもうと)が集まり、兄の人生を終う。
――怒り、泣き、ちょっと笑った数日間。

「わたくし、宮城県警塩釜警察署刑事第一課の山下と申します。実は、お兄様のご遺体が本日午後、多賀城市内にて発見されました」

寝るしたくをしていた「私」のところにかかってきた見知らぬ番号からの電話。それは、唯一の肉親であり何年も会っていなかった兄の死を告げるものだった。第一発見者は、兄と二人きりで暮らしていた小学生の息子。いまは児童相談所に保護されているという。

いつかこんな日が来る予感はあった。兄は金銭的にも精神的にも、迷惑ばかりかける人だった。二度の離婚をし、体を壊し、仕事を失い、困窮した兄は、底から這いがることなく、たった一人で死んだのだった。

急なことに呆然としている私に刑事は言った。

「ご遺体を引き取りに塩釜署にお越しいただきたいのです」

わかり合えなくても、嫌いきることなど、できない。どこにでもいる、そんな肉親の人生を終う意味を問う実話。


【目次】

内容説明

寝るしたくをしていた「私」のところにかかってきた警察署からの電話は、何年も会っていなかった兄の死を告げるものだった。第一発見者は、兄と二人きりで暮らしていた小学生の息子。いまは児童相談所に保護されているという。兄の人生を終うため、私、兄の元妻、娘と息子が集まりドタバタ劇が幕を開ける。わかり合えなくても、嫌いきることなど、できない。そんな肉親の人生を終う意味を問う。(映画『兄を持ち運べるサイズに』原作)

著者等紹介

村井理子[ムライリコ]
翻訳家/エッセイスト。1970年静岡県生まれ。ブッシュ大統領の追っかけブログが評判を呼び、翻訳家になる。現在はエッセイストとしても活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

あつこんぐ

28
今年一番よかった本。『家族』を読んで兄に引き取られた長男がどうなったのか心配していましたが、お母さんと一緒に暮らせるようになってよかった!良一君が学校の友達や先生とお別れする場面で号泣し、里親さんの話で号泣し、文庫版のあとがきを読んでは号泣しと最後は泣きっぱなしでした。お兄さんはお兄さんなりに子供のために頑張ろうとしていたし、良一くんもお父さんのことが好きだったんだなぁというのが伝わってきて良い親子関係だったんですね。しっかりしすぎるくらいしっかりした子ですがこれからはお母さんにいっぱい甘えてほしいです。2025/11/04

えこり〜ぬ

3
いつもすることだけど、書店でまず1ページ目を読んで、このまま読み続けたいかで買うかどうか決める。すっと入ってきて、もっと読みたいと思い購入。あぁ、映画になりそうだなと思いながら2時間ほどで読了。カバーをよく見たら、映画化!となっていた。家族って、どうしたって離れられないものなんだね。めんどくさいけど、どうしたって大好きだね(人、条件により一括りにはできないけれど基本的には)。2025/10/05

すぬぴ

2
映画公開直前、SNSで見かけて興味を持った。著者の兄が突然死んだ。なかなかに迷惑系だった兄の、死後始末の話。兄の元妻と一緒に汚部屋の後始末、残された息子の引き取りなど怒涛の片付けと煩雑な手続きを数日で済ませるってすごい。生きてる間は理解できず大嫌いだった家族が、死んだ後では想わない日はないくらい大切な存在になるなんて…家族って本当に不思議だ。映画観よ。2025/11/17

でかぴょん

2
★★★★☆2025/10/29

うめこ

1
塩竈、多賀城、小学校、市役所、住民の皆さんが映像としてどう映っているのかもぜひ観たい。ロードムービーみたいな雰囲気も好きだった。 私が知っている景色を、文筆を生業とする方が初めて訪れた際にどう感じているのかは、とても新鮮で不思議な感覚になった。塩竈多賀城を結構な田舎町みたいに書かれていたのには、そうなのか、、と複雑に感じた。それも面白かった。 ■印象に残った言葉 「人生は助け合い。僕らも震災のあとは、たくさん助けてもらったからね」と元社長は言いつつ、私たちを駅前で降ろしてくれた2025/10/03

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