出版社内容情報
戦後日本の「最後の知性」。
60名を超える執筆陣が描く、それぞれの山崎正和論。
内容説明
劇作家・評論家・思想家として、または政治・行政への助言者として、そして学術・教育・文化活動への貢献者としての人生を60名を超す執筆陣が振り返る。
目次
プロローグ
第1章 創作者
第2章 思索家
第3章 参加する観察者
第4章 知の演出家
エピローグ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
正親町三条ペペ
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朝イチの阪大・山崎正和先生「演劇学入門」にもぐるため、出町柳〜京阪四条〜河原町〜石橋へ移動。眠い目を擦りながら待ち受けた先生。その第一声から終了までの、壮大なシンフォニーのような圧巻の講義に「ペンは確かに剣よりも強い」感を覚えた。知の持つ構造を身体で表現して教壇に立っていた先生は、まさに舞台人であった。壮烈な感動を抱えながら阪大生協で食べる天津飯のうまさ。流し込むビールの心地よさ。みずみずしい時代に出会えてよかったと、いまでも心底に思う。主張や思想への評価はさておき、素直な感謝を捧げたい。2025/06/30
PETE
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山崎正和追悼号。思想家としての明晰さだけではなく、劇作家として思想的緊張感に満たされた戯曲を書き、上演し、また演劇の振興に努めた多才な人物であったことを明らかにする。 他方、並行して読んでいる『内閣調査室秘録』に協力的な知識人として頻繁に名が挙がるということは、この人の知性を手放しで評価するわけにもいかないということを示している。2021/10/10