出版社内容情報
解剖実習、外科手術、患者の死。
つらいこともたくさん、でも医者になってよかった。
「小学館ノンフィクション大賞」受賞医師の青春。
神童と言われ、両親に期待された兄は医師を目指さなかった。なぜか凡庸な文学少年だったぼくが医師を志すことになった。才能がない分、必死で学び、医学生になり、研修医となった。はじめての解剖では人の多様性を身をもって知った。入念な予習で挑んだはじめての手術は、予習のようにわかりやすいものではなかった。病院という場でかかわるすべての人たちがぼくを医師にしてくれた。若い小児科医の成長を心あたたまるユーモアとヒューマニズムで書くエッセイ。
“こうした解剖学的な変異(バリエーション)を破格と言う。人間の体の中は、破格の連続だった。ぼくは人体が教科書通りでないことに何かほっとした気持ちになった。考えてみれば、目の前のご遺体にも何十年に及ぶ豊かな人生があったはずである。そして何かの事情や決意で自分の体を医学教育に役立てようと献体したのだ。人間の人生には一人ひとり個性とかバリエーションがある。だったら、体の中にだって破格があった方が人間くさくていいじゃないか。(本文より)”
内容説明
解剖実習、外科手術、患者の死。つらいこともたくさん、でも医者になってよかった。小学館ノンフィクション大賞受賞医師の青春。若き小児外科医の物語。
目次
1 医学生の青春(文学少年、医者を目指す;人並みのぼくの一浪ライフ;教養なき一般教養学生;解剖実習の洗礼;勉強とラグビーと)
2 どんじりの進路(精神科のカルテ;小児外科のアカオニ;卒業試験で、まさかの…)
3 新人医のカルテ(小児外科医、はじめの一歩;眠い、でも患者さんがいる;初めての手術;研修医の夜;麻酔がくれた自信)
4 医者になってよかった(小児がんの研究ができる!;研究か、臨床か?;どんじり、国際学会へ)
著者等紹介
松永正訓[マツナガタダシ]
1961年、東京都生まれ。87年、千葉大学医学部を卒業し、小児外科医となる。2006年より、「松永クリニック小児科・小児外科」院長。13年、『運命の子 トリソミー短命という定めの男の子を授かった家族の物語』(小学館)で第20回小学館ノンフィクション大賞を受賞。19年、『発達障害に生まれて 自閉症児と母の17年』(中央公論新社)で第8回日本医学ジャーナリスト協会賞・大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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