内容説明
英語が支配する世界で生きたいですか?朝日新聞で「英語の幸せな奴隷」に警鐘を鳴らした著者が突きつける「英語信仰」の落とし穴。
目次
第1章 英語社内公用語化の実態―英語化する日本企業
第2章 英語公用語論の歴史―公用語とは何か?
第3章 英語を社内公用語にしてはいけない理由1 日本語の衰退を招く
第4章 英語を社内公用語にしてはいけない理由2 格差を生み、拡大する
第5章 英語を社内公用語にしてはいけない理由3 言語権を侵害する
第6章 もしあなたの会社が英語を社内公用語にしたらどうすべきか?
第7章 日本語優先主義のすすめ―英語より日本語を
終章 経済至上主義から文化至上主義へ
著者等紹介
津田幸男[ツダユキオ]
1950年、神奈川県生まれ。筑波大学大学院人文社会科学研究科教授。専門は英語支配論、言語政策、国際コミュニケーション論。都立高校の英語教師を務めた後、1985年に南イリノイ大学で博士号を取得。名古屋大学教授などを経て、2001年より現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kubottar
7
英語をやろう!TOEICで高得点スコアだ!と謳った本は数あれど、逆に英語をマイナスにとらえる本は珍しい。確かに英語をガンガン勉強していくと、日本語力が落ちるのはわかります。日本よりも英語教育に力を入れている韓国では、韓国語の国語が落ちたと聞きました。しかし何も資源がない国である日本がグローバル化を拒み、文字通りガラパゴス化したとしてやっていけるのかも疑問です。中国のように独自のルールで動ける国力があるのなら別ですが、日本の場合はどうなるんだろうか?2011/08/23
T.Sue
4
私も英語好きでありがなら、世界が英語信仰へ進みすぎることへの懸念を抱いているので、この本を手に取ってみた。 要は"英語を公用語にしたら日本語が廃れる"という内容なのだが、ひたすら”英語信仰”を否定、日本語を重視すべきとの一辺倒なのが残念。英語を取り入れることによるメリットも引き合いに出した上で やっぱり公用語にすべきでないという論説を聞きたかった。 この本では語られていないが、「200年後、世界中が英語を話したらどうなるか」想像してみた ー きっと、面白くないだろうな。2011/10/08
shoko.m
1
筆者の言いたいことはよくわかる。日本文化軽視、日本語軽視は危険というのは納得がいくが、それだけで論を押し通すにはちょっと根拠が弱いような。(なら日本語が地方の言葉を駆逐してきた歴史などは……とも感じる)英語偏重に警告をという意味で本書を書かれたのだろうとは思うが。2023/04/09
ゆ
1
外国語学部として、考えさせられる一冊やった。講義を受け、他国の言語を学び文化を覗くたびに言語は文化だと実感する。もう少し、日本語と外国語のありようについて考えなければ。2011/09/13
abenatsu
0
日本のいくつかの企業が、英語を社内公用語化したことに対して、主に3つの理由で反対している。著者は、楽天とファーストリテイングのCEOに対して、わざわざ反対の手紙を送ったそうである。。。言わんとすることは、分からないでもないが、著者は様々な面で、企業の英語公用語化に対して誤解をしているように思う。今の日本に必要なのは、国際共通語を使い、グローバルな視点で日本人としてきちんと主張できる人材であるはずである。「英語」は「米語」でもなければ「イギリス英語」でもない、グロービッシュのような国際英語でいいはずだ。2013/03/21