出版社内容情報
責任編集=川上未映子。総特集「女性」。
目次
エドナ・セント・ヴィンセント・ミレー 小澤英実=訳
石垣りん
ルシア・ベルリン「掃除婦のための手引き書」岸本佐知子=訳・解説
多和田葉子「空っぽの瓶」松永美穂=訳
津村記久子「誕生日の一日」
佐藤文香「神戸市西区学園東町」
イーユン・リー「かくまわれた女」篠森ゆりこ=訳
小山田浩子「蟹」
井上佐由紀
伊藤比呂美「夏のおわり。秋のはじめ。」〔ほか〕
1 ~ 3件/全3件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yumiha
39
ずっしりと重い!計量したら1kg!!552ページ。海外も含めて女性作家による小説、詩、短歌、俳句(川柳がないのが残念)、評論、座談会と内容も盛り沢山。これまで一度もフェミニストだと自覚したことはなかったが、他作品などに触れたことのある執筆者が約4分の1だったのは、気づかないままフェミニズムに浸っていたのだろう。小説では未読だった小谷田奈月が一番魅力的だった。また、桐野夏生と川上未映子の対談にも多く刺激を受けた。2017/12/07
阿部義彦
28
今年の一冊目は、大冊でさすがに読むのに時間が掛かりました。話題になり品薄状態が続いてたフェミニズム特集号です。著者も全員女性、裏表紙の作者一覧を見るだけでも壮観です。ほぼ現在に通じるフェミニズムの先鋭的作品をものしてきた戦後第一世代が松浦理英子であり「ナチュラル・ウーマン」と「親指Pの~」は必読書には肯首します。私もどちらも読んでました。また「脱セクシュアリティ」と大胆な既存の概念の転覆という側面で切り取れば、村田沙耶香が松浦理英子の正統的な嫡子である事に疑いは無い。初めての作者ばかりで楽しかった。2018/01/03
とよぽん
21
小説、評論、詩、短歌、俳句、海外文学作品など読み応えのある作品がたくさんあった。川上未央子さん編集。また後日ゆっくりと読みたい。2019/11/23
かもめ通信
21
文芸誌に手を出すとキリが無いから、普段は避けて通るのだけれど、これはやっぱり読まなきゃと意を決して発売前に予約したのは正解だった!詩あり、短歌あり、俳句あり、小説あり、エッセイあり、 対談あり、座談会あり、論考あり、図版ありとその内容は実にバラエティに富んでいて、正直なところ隅々まで読み込んだわけでも、全部が全部楽しめたわけではないが、アディーチェもウルフも盛可以も多和田葉子もと十二分に読み応えがあり、ずっと手元に置いておきたい1冊だ。2017/10/30
えりまき
19
2023(42)ボリューミーだけど、読んで良かった!初めましてのたくさんの作家さんとの出会いに感謝。特に盛可以さんの本を読んでみたい。ヴァージニア・ウルフさんの「ロンドン散策」、「古本とは飼い主のいない本、宿なしの本。」「図書館で飼い馴らされた本にはない魅力を備えている。」の表現が好きです。チママンダ・ンゴズィ・アディーチェさんの友人に綴ったフェミニストへの育て方のお手紙がとても良かったです!「言語は私たちの先入観の、信念の、思い込みの収納庫です。」。自分の言葉を問わなければいけない。 2023/02/15