内容説明
ボンド・ガールからヒッチコックとミュージカルの名作へ、さらにP・K・ディックのSFへめぐって、闘いと和解を主導する女たちの神話的な力を、物語のうちから汲み上げる気鋭の映画=評論集。
目次
1 映画のなかの2人の女(ジェームズ・ボンドの女たち―ボンド・ガールからボンド・レイディへ;優しさと誠実と慎み―『レベッカ』をめぐって;ヒッチコックのホエア・オア・ホエン―『裏窓』と『めまい』をめぐって;ハイ・ヒールとトウ・シューズの惑乱―『バンド・ワゴン』をめぐって;戦争から戦いへ―生き残る女たち;ミステリー映画ベスト20)
2 物語が目ざめる時(愛しうる幻像―フィリップ・K.ディックをめぐって;目ざめ、叫び、走る―フィリップ・K・ディックをめぐって;井戸と耳―村上春樹をめぐって;アメリカン・パルプの香り―アメリカ文学と村上春樹;タルホ号、天に昇って一点へ―稲垣足穂の抽象的冒険)
3 映画の光線をあびて(『パリ、テキサス』または砂漠からの目ざめ;ヴィクトル・エリセの小さな世界;たゆたう光、グランド・ホテル―『ゴダールの探偵』をめぐって;長距離ランナーを撃つな!―大森一樹=吉川晃司をめぐる無駄話)