出版社内容情報
ロダンらの影響を受け、作品を制作しつつ、芸術の根本を見守ってきた彫刻家の近代・現代作家論。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
無意味への献身
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柳原義達の「犬の唄」がとにかく好きなのだ。あんな優しい芸術がどこにあるだろうか。タイトルにはいろんな思いが込められていて、でもわたしは何も引っ掛かるところなく、この作品は犬の唄だ、と思えた。 本書はその柳原が、敬愛するロダンやブールデル、マリー二やマンズーと言った世界の彫刻家の芸術や人間から織り出されるそれぞれの作家の芸術観を論じている。 末尾には彼自身の彫刻家としての履歴や芸術観が展開される。 ロダンの重要なテーマであった「自然とは螺旋である」は何度も言及されるから忘れがたい。図版も多く収録される。