出版社内容情報
「男の友情」は男にしか分からない…。そんな絆も実は歴史の産物だった。明治時代までさかのぼり、学生間ではやった男色のその後の展開を追う、画期的な論考!
内容説明
「男の友情」は男にしか分からない…。そんな“絆”も、じつは歴史の産物だった。明治時代までさかのぼり、学生の間ではやった「男色」の、その後も展開を追う。いまの男女問題を解くヒントに満ちた、画期的な考察。
目次
第1章 「学生男色」の時代
第2章 「やったか、やってないか、それが問題だ」
第3章 女学生の登場と「男同士の恋」
第4章 「男色」から「男の友情」へ
第5章 「同性愛者」の誕生
第6章 締め出される女性と「ボーイズ・ラブ」
終章 「男の絆」から「人びとの絆」へ
著者等紹介
前川直哉[マエカワナオヤ]
1977年兵庫県生まれ。東京大学教育学部卒業、京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程在籍中。現在、灘高等学校教諭(日本史)、および大学非常勤講師。専門はジェンダーとセクシュアリティの社会史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tera。
22
分類したりって、人間相手には向かない気がする。そもそも人はそれぞれ違うのだから、誰も彼もがマイノリティなんだと思う。それを認めて受け入れられない社会なんて参加してもつまらないし、どんな事でも一人一人があるがまま、偽り無く生きて行ける世の中であって欲しい。内容に関しては家庭内に置ける男女の役割や、恋愛事情などにシフトしていっている気がして、タイトルとはちょっと違う気がした。江戸や明治の頃がどうであれ、私たちは今を生きているのだから。そして「腐女子」は蔑称じゃあないと思うんだけどな。2014/05/24
Romi@いつも心に太陽を!
22
某大型書店のBLコーナーにどど〜んと平積みされていた本書。タイトルにどこか暑苦しさ、汗臭さを連想しおののきながらページを捲った(笑) 明治といわず遡ること江戸時代からの「男の絆」の変遷を、文献等から紐解いてゆくのにはなるほど〜と納得。寄宿舎での学生たちの写真もそういう目で見てしまいますね(笑) やおい・ボーイズラブ関連年表に見入ってしまいました。作者はJUNE愛読者だったのですね。個人的に理想であり最強な男の絆を描いた作品は不朽の名作「BANANA FISH」です。2011/07/20
yourin♪
21
江戸・明治時代の男色・同性愛が、現代に至るまで時代によってどう捉えられていたのかを興味深く読んだ。 『性的指向を理由とする差別』についても考えさせられた。 現在、同性結婚を合法で認めている国は10カ国以上なんですね・・・。まだまだ異端ではあるけれど、近い将来同性間での結婚は珍しいことではなくなるかも・・・。2011/07/23
ムック
17
入荷時から気になってて図書館で借り読み。主に明治時代に行われていた「男色」は精神的な繋がりがまずありきで、女性と恋愛するのは軟弱とされていたから、という事実。えっ!って思ったのが、男色を批判する本を出している人が同性に対して恋愛感情を持った事があると著書で述べている事。男女が感じる萌えの種類の違いも面白かった。そう、女性は同性同士の関係性に萌えるのです〜。色々と勉強になりました☆2011/06/09
果実
15
作者はバイ・セクシュアルの方。詠みやすく、わかりやすい印象を受けました。読んだ時期が人権週間という偶然と、こういった本に興味を持たせてくれたジェンダー論に感謝。細かい感想はこんど。2013/12/07
-
- 和書
- 城南旧事―北京の思い出―