内容説明
満身創痍の天上のタイタニック号、最大の危機と、奇跡的生還!―有人宇宙飛行史上、もっとも危険な米ロ共同ミール・ミッションの恐るべき実態と、両国から見放され、最悪の事故からの自力の脱出を企てるクルーたちの絶望的な孤独と奮闘を描いて、本国で話題騒然のノンフィクション大作、ついに完全翻訳。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夜郎自大
3
現場と遠隔管理者との関係性の部分は地上で展開されている企業の運営現場とあまり変わりがないような印象。管理者が現地現業をしっかり把握することも勿論だが、その上にさらに現場従事者に対して心理を理解しようとする姿勢が大事だなと感じる。 本書では宇宙開発の本質と離れた政治家パフォーマンスの悪影響とNASAの稚拙さがクローズアップされているが、私自身はむしろ、この稚拙さもしくはロシアの無謀さがなければISSが実行されることはなく、これが歴史的な人類のチャレンジの実態だ、として捉えておきたい意識になった。2021/01/16
ノメ
0
NASAや宇宙飛行士の真実の姿がよくわかる。2015/11/28
yooou
0
☆☆☆☆★2005/01/29
Hiroshi
0
読了。 1990年代末、設計寿命の2倍の年月を経過して老朽化した、ロシアの宇宙ステーション、ミールに乗り込んだアメリカ人宇宙飛行士が次々にトラブルに遭遇する。しかしトラブルの要因は宇宙だけでなく地上にもあった。政治的な成果のために性急に決まったミールの共同利用、スペースシャトルは持っているものの長期の宇宙滞在の経験がないNASA等、アメリカ側の裏側にもちゃんと光を当てている良書。ミールでの火災や宇宙船の衝突、船外活動と言ったトラブルの様子も迫真の内容で良い。絶版なのが残念。2014/03/10