内容説明
香港回収。中国の未来は…。〓小平の命を受け送り込まれた「陰の香港総督」許家屯。香港に魅入られ、それゆえに亡命した中国大物高官、いま語られる中国、香港、そして台湾…。
目次
「香港経験」に学べ
敏感な都市―マスコミ工作
海峡両岸の間―台湾工作
国際交流の舞台・香港
天安門風雲記
新たな中英対立
祖国を去る
二十一世紀の香港・中国・台湾
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まーくん
84
香港回収の中国側最高責任者として83年、現地香港に派遣され、影の総督と呼ばれた男、許家屯の回想録下巻。香港財界に多彩な人脈つくり、香港基本法の制定などに尽力するも、89年の天安門事件により彼の立場に危機が迫る。趙紫陽の路線を支持した許家屯は李鵬首相・江沢民新総書記ら保守・強硬派の追及を受け辞職へ。90年5月北京召喚直前、間一髪米国に逃れる。党中央との間に太いパイプを持つ党高位者の証言から、共産党の政策決定や実行に至る具体的な過程が窺える。鄧小平が最高実力者であるが、彼とて保守派長老らとの妥協が必要だった。2021/01/19