内容説明
母さんの死、そしてジャン・ジュネとの出会い。戦況がナチス・ドイツの羽振りに翳を与えはじめ、連合軍による大規模な夜間空襲も行なわれるようになった…。一九四三年の占領下パリにおけるコクトーの活動報告。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
印度 洋一郎
3
ジャン・コクトー、1943年の日記。この年は脚本を書いた映画「悲恋(文中では原題を直訳した"永劫回帰")」が公開されて好評を博す。この他、ヴィシー時代の映画の名前が出てくるが、どれもわからないのが残念。日本では公開されなかったのだろうか。秋には街頭で右翼に襲撃されて重傷を負ったり、ド・ゴール派から「対独協力者」と名指しされたり、「政治には関わりたくない」と言ってもそうはいかないご時勢だった。1936年に日本を訪問した際の事を回想しているが、愛宕山のNHKで尾上菊五郎について話したという。2017/10/07