内容説明
壮麗な芸術の都、祝祭的な街がなぜヒトラー都市へと激しい変容をとげたのか―。世紀末のにぎわいから革命の〓揚、そして反革命をへて破局へとなだれこむ都市の転変を華麗なエクリチュールで鮮かに照らし出す。
目次
1 官能都市(『ヴェニスに死す』;熱狂と幻滅;デカダン再考;詩人と市民;禁じられた恋のテーマ;倒錯のエクリチュール)
2 「芸術の都」(「輝けるミュンヘン」?;芸術侯爵;イーザル・アテネ;ミュンヘン世紀末)
3 ヤーヌスの都(「諷刺雑誌」のミュンヘン;「絵入り諷刺雑誌」の世紀;『ジンプリチシムス』の歴史;「ドイツの郷土」バイエルン)
4 虐殺の都(ミュンヘン革命;憎悪の爆発;没落する「芸術の都」)
5 ヒトラー都市(「芸術の都」再建;〈運動〉の首都;芸術作品としての都市―〈総統都市〉建設;祝祭都市のナチ祭礼)
6 エピローグ(『ファウスト博士』;予告された破滅の記録)