内容説明
“アイドルは、虚構だから美しい”。’80年代に成立した「アイドルシステム」とは何か?アイドルの送り手、受け手、さらには元アイドルへのインタビューを通して、’80年代という時代と若者文化を総括する。
目次
序章 遅れてきたアイドル論
第1章 アイドルを語る時代
第2章 アイドルが語る時代
第3章 音楽としてのアイドルポップス
第4章 アイドルという〈物語〉
第5章 TVメディアが作ったアイドルシステム
第6章 「若者文化」としてのアイドル
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
madofrapunzel
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★★★★★ すごく面白かったし、学知がすごく詰まっていた! インタビューを所々載せて、その後解説という書き方を多々しているのだけれども、現代社会を解くキーワードや説明に溢れていました。うーんこの本に出会えてよかった。アイドル社会学本なんて、まずいないですもんね…。 刊行した発行者にナイス!と言いたい所です笑2011/05/15
虫食い侍
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これぞアイドル批評の金字塔であり、原点だろう。80年代のクールな空気感が伝わってくる。個人的にはKアイドルと比較しつつ読んだが、それ抜きでも良い本だった。2025/07/04
madoka
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いつの世もオタクの言うことは変わらないwwwということだけでも一見の価値あり。いわゆる「最近の若者は」とエジプトの壁画にもあるようなもので、アイドルのプロフェッショナル性や幼稚化みたいな論点は今も変わらないと思う。そしてオタク同士で大いに意見交換するのも。2021/02/12
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面白い。アイドル論としては「古典」の一つかもしれない。大澤真幸的に言うならば、「理想」(=「肯定の絶対性」)「夢」(=「反抗」の時代)「虚構」(=「否定の自立性」)にそれぞれ対応するように吉永百合子、山口百恵、松田聖子をそれぞれ対置させて時代の移り変わりに併走するアイドル像を語りながら、おニャン子クラブの登場によって、「アイドル」それ自体がシステム化(=「工学」化)する様を論じている。今現在も秋元的な物が猛威を振るっているのは「究極のアイドルシステム」がおニャン子クラブで「完成」したということだろう。2019/03/24