内容説明
身上潰して南蛮狂い―。自ら称したごとく、西洋文化の衝撃が生みだしたエキゾチックな美に魅せられ、代々の家産を蕩尽した男、池長孟。したたかな美術商、研究家を自在に駆使して、やがて南蛮紅毛美術を体系づけ、先駆的な美術館創設にいたる、その豪放かつ緻密な蒐集の生涯を描く。
目次
池長植物研究所
瓦屋のぼん
紅塵秘抄
宝船を持つ女
ラール・エヴァンタイユ
発端
金箔の港
出会い
無弦の琴
邦彩蛮華大宝鑑
みちのくの洋風画
黄檗画像
天保六花撰
謎解き
茶人罵倒録
昭和アールデコ
美術館開館
小人飛散
化して南蛮の鬼