内容説明
昭和20年の1年間には、8月15日を境にして戦前と戦後がある。境を越してあるもの、越すことなく消失したもの、越しはしたがやがて壊されたもの―戦前と戦後の断絶と連続の断片をつむぐこと―失ったものとかろうじて残ったものの間を40年を経て、いま歩いて見る。都心の焦土の外縁にひろがっていた近郊地区は、都市の欲望が自身の姿を写す凹面鏡であった。
目次
其の一 亀戸・木下川・小岩
其の二 小菅・亀有・柴又
其の三 千住・本木・花畑
其の四 赤羽・志村・赤塚
其の五 練馬・大泉・関町
其の六 阿佐ケ谷・荻窪・和泉
其の七 烏山・豪徳寺・喜多見
其の八 田園調布・大森・蒲田
其の九 吉祥寺・三鷹・小金井
其の十 調布・府中・国分寺
其の十一 八王子・町田
其の十二 五日市・羽村・青梅
其の十三 東村山・立川