出版社内容情報
現実は何処に繋がっている?離別と死別の比較から始まり、現実性という力が、神へと至るプロセスを活写した希代の哲学書。入不二哲学の最高到達点がここにある。
内容説明
現実性こそ神である―このテーゼは果たして何を意味するのか?世界の在り方をめぐる哲学的探究、その最高到達点。
目次
はじめに 「現実性の問題」の始まり
第1章 円環モデルによる概観
第2章 現実性と潜在性
第3章 事実性と様相の潰れと賭け
第4章 現実の現実性と時間の動性
第5章 時間・様相・視点
第6章 無関係・力・これ性
第7章 無内包・脱内包・マイナス内包
第8章 「拡張された他者」としての現実性
第9章 「無いのではなくて存在する」ではなく
おわりに 現実性こそ神である
著者等紹介
入不二基義[イリフジモトヨシ]
1958年生まれ。東京大学文学部哲学科卒業、同大学院博士課程単位取得。専攻は哲学。山口大学助教授をへて、現在、青山学院大学教育人間科学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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月をみるもの
13
公開されてた「はじめに」が非常に面白いので、哲学嫌いな人も、これだけ読んでみてほしい ( https://www.chikumashobo.co.jp/special/actu_reality/assets/data/tameshiyomi.pdf )本編はゴリゴリの哲学書なのに、読メですでに84登録もされているのは、このイントロの問題意識がすべての章で貫徹されているからなのかも。2021/08/09
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5
分析哲学みたいなのは様相のお遊びに思えてあまり読まないものの、これは無様相の力というところまでいっていて興味深かった。現実性が持つ「語らせる力」でなく「黙らせる力」、言語を無きものにする力とか、この方向で色々と考えられそうな。2020/10/04
ニッポニテスは中州へ泳ぐ
3
☆=5/5 おお面白れぇ!!「現に」という駆動力がいかに万象を貫いて働くかが分析されている。「現に」という力は重力に似ていると感じたが、その意味では超物理学(メタフィジックス)の大統一理論としても読めるかもしれない(現実という力は否定性を持たず肯定性しか持たない=重力は斥力を持たず引力しか持たないがゆえに万物に汎的に働く)。ともあれ、ドラム式洗濯機の中で強引に脳をかき回されるような気分の強烈な読書体験だった。もしくは圧力鍋の中で全思考が沸騰しつつ融溶するような読み心地。2020/09/04
Go Extreme
1
現実性の問題:離別と死別 同じか・違うか 現実と可能 円環モデルによる概観:始発点と第一歩 反実仮想と可能性 転回―可能性から潜在性 現実性という力 論理・様相・時制 現実性と潜在性 事実性と様相の潰れと賭け:ラッセル的拒否感の役割 選択と賭け 賭けと祈り 祈りと神 現実の現実性と時間の動性 時間・様相・視点:3つのポイント 必然と偶然 ベタな時間推移 無視点性 無関係・力 無内包・脱内包・マイナス内包 拡張された他者としての現実性 自由という相貌パラドクス 無いのではなくて存在するではなく 現実性こそ神2021/03/31
coc
0
読み終えるのに力を必要とした... ただ、読み進めるほどハマっていく!2023/08/27