出版社内容情報
仕事、進路、人間関係……。尽きない悩みも、古代の賢人に学べば、みるみる氷解。不安をなくし、自分でできることを拡張するためのヒントに満ちた人生哲学の書!
内容説明
仕事、進路、人間関係…。尽きない悩みも、みるみる氷解。現代人のための、人生哲学の書!
目次
プロローグ 人生の教師 エピクテトス―元祖・自己啓発哲学者
第1章 悩みのカタログ『人生談義』の世界―「なんで私が打ち首に?」
第2章 エピクテトス哲学の根本原理―権内と権外の区別
第3章 降臨!エピクテトス先生。上司にムカつく30代男性の相談に答える!
第4章 理性を働かせよ!―理性的能力のユーザーズガイド
第5章 哲学の訓練―幸福を呼ぶトレーニング
第6章 再降臨!エピクテトス先生、見えない未来をどう選んだらいいですか?
第7章 ストア哲学の世界―論理学、自然学、倫理学
第8章 エピクテトス先生をアップデートする
エピローグ 真実も幸福もエピクテトスの徒として生きる
著者等紹介
山本貴光[ヤマモトタカミツ]
1971年生まれ。慶應義塾大学環境情報学部卒業。コーエーでのゲーム制作を経て、文筆家・ゲーム作家。金沢工業大学客員教授。関心領域は学術史、ゲーム、カステラなど。「哲学の劇場」主宰
吉川浩満[ヨシカワヒロミツ]
1972年生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒業。国書刊行会、ヤフーを経て、文筆業。関心領域は哲学、卓球、犬猫鳥、単車など。「哲学の劇場」主宰(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
まこみや
53
要点はとてもシンプルだ。われわれの「権内」と「権外」を適切に区別して、「権外」を気に病むのを止めて、「権内」に注力しようという。まったく正しい賢人の教えだが、実践するのは必ずしも容易ではない。続けて説くことには、「権内」つまり心像を正しく使用する能力は、ただ訓練によってのみ養われると。エピクテトスの考え方を知ってただちに悩みから解放されることはないだろう。しかし悩みや不安が心に兆したとき、彼の言葉を思い出して、その度に、拳拳服膺していくことで悩みの幾分かが解消できればそれに越したことはないだろう。2021/08/08
ころこ
34
会話形式で扉絵や空白頁が多く、哲学に圧倒されずに読了し易い本です。誰しも最初から難しい本を読み始めることは出来ないので、それらしい本でありつつ自己啓発的な偽物でない本として有用です。「権内にあるもの」と「権外にあるもの」の区別とは、現代の経営管理にいう管理可能性のことだと言ってしまえば情報量としては皆無に等しい訳ですが、過程の細部の議論に揺すぶられ何かに気付く、固有名に惹かれて無謀にも古い哲学者の本を購入してみるといった、自己啓発本との違いはこのちょっとした変化です。2020/04/24
kum
28
今から1900年も前の哲学者エピクテトスの教えを2人の文筆家が対話形式で語る。大事なポイントは「自分の『権内にあるもの』と『権外にあるもの』を区別すること」。自分でコントロールできないことを気に病むのはやめて、どうにかできることに注力する。多くの悩みはそれを混同してしまうことによるもの。現代に照らすと、虚々実々が飛び交う中で真実を見極めることがその区別につながる。もともと表紙がかわいくて気になっていた本。見たら挿画担当は以前本屋titleさんでやっていた個展を覗いたことのある花松あゆみさん。やっぱり好き。2020/11/19
ま
24
権内か権外か。つまり、その悩みにまつわる事を自分のコントロール下とそうでないものに切り分けることがまず大事。そして、時代が下るにつれて技術発展に伴い権内にカテゴライズされる事が増えているともいえるし、権内と権外の境界が見えにくくなってるともいえるし、その境界は絶えず動き続けてもいる。それ以外の話はもうひとつ入ってこなかった。2024/11/05
ばんだねいっぺい
24
混迷から抜け出すには、選択肢をよろしい方向で絞りこむ必要がある。エピクトテスが言うように権内・権外に分けると選択と集中ができる。 2024/02/25