内容説明
「認識論的切断」によって60年代思想界に根底的変革をもたらしたルイ・アルチュセール。その前半生は部厚いヴェールに覆われて神話化されほとんど世に知られることがなかった。生い立ちから、学問とカトリシズムへの傾倒、師友との深い交わり、大戦そして捕虜生活、学問への回帰と未来の妻エレーヌとの宿命的な出会いに至るまで、数奇な晩年を生きた偉大な思想家の人間形成期のすべてを克明に跡づけた俊英ムーリエ・ブータンの労作。
目次
第1章 神話対伝記
第2章 ルイ・アルチュセールの第二の死
第3章 最初の死の夜
第4章 幼年時代の円環
第5章 リヨンの刻印
第6章 捕虜収容所10A―戦争と捕虜生活
第7章 カトリシズムの精神とその運命
第8章 女性と党―エレーヌ・ルゴティアン
第9章 ガラス玉演戯