出版社内容情報
80年代前半、「試行」に書き続けられた論稿「アジア的ということ」に他の論稿を加え、著者の生前の構想に沿って編集したアジア的世界思想の可能性を示す論集。
内容説明
「母型論」「アフリカ的段階について」へとつながる最も根源的で重要な論考集。著者生前の構想に沿って編んだアジア論集成。
目次
序「アジア的」ということ
1(アジア的ということ 1~7)
2(“アジア的”ということ;「アジア」的なもの;アジア的と西欧的;プレ・アジア的ということ)
3(遠野物語“別考”;おもろさうしとユーカラ;イザイホーの象徴について;島・列島・環南太平洋への考察)
4(インタビュー 贈与の新しい形)
付(吉本「アジア的ということ」で提起された諸問題)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はすのこ
9
名著ですねぇ。2016/05/22
てれまこし
3
吉本はアジア的なものを専制政治と村落共同体に分離し、レーニン主義は前者の意味でのマルクスのアジア化として捉える。このアジア化されたマルクスをレーニン主義の瓦礫から救いだすために、後者の意味でアジアと結びつけられる。非資本主義的文明の範型としてのアジアである。そうすることにより、吉本はロシアのナロードニキの立場に近づき、意図せずして(?)、また日本のアジア主義や農本主義を軍国主義から救いだすことにもなる。アジア的「停滞」を国家からは自立的な社会の原理に読み直そうという点で、柳田的発想も受け継ぐことになる。2019/06/28
あい子
0
すごい重量。2016/06/30
やまざき
0
面白かった。縦横無尽で自由な思想って感じで、私は好き。2022/08/07