目次
第1章 世間
第2章 三昧
第3章 無心
第4章 無執着
第5章 遊戯
第6章 慈眼
第7章 愛語
第8章 以心伝心
第9章 時間
第10章 夢
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Gotoran
47
臨済宗僧侶で英米文学研究者、禅を英米に紹介していると云う著者。人が生きていく上で在り方強化に結び付く禅語。本書では『モモ』の中に出てくる言葉を引きながら、更には世間で使われている言葉で禅意を表す、例えば和歌、俳句、都都逸他からの世語をも引きながら、禅語を解説・紹介していく構成。禅の立場とは、「教外別伝、不立文字、直指人伝、見性成仏」「お経を読んでも つかめはせぬぞ 言葉で言っても 書いてもだめだ ほんとうの自分を しっかりつかめ それができたら みな仏」即ち著者曰く「ラデイカル・ヒューマニズム」と。 2017/05/18
ルル
10
2019初本(*^^*)みなさんはどんな初本で新年迎えられましたか?2019/01/05
まみ
7
いい本に出逢ってたんだな、わたし。ハンドルの遊びから、生きていく中で夢中になって遊ぶということの大切さを学んだのはこの本だった。漱石の「こころ」もすっかり忘れていたけど、人間の業と関係性、生きること死ぬことについて、しばらく考え込んでいたことを読友さんのレビューが思い出させてくれた。忘却はしても、私の中に沈潜してなにがしか歩く道を方向づけてくれているかもしれない。この本もそう。時を経て古びないばかりか、さらにいかに生きるかを学ぶことができる。あらためて読み直したい一冊。2018/11/07
まおまお
3
学生時代に読み、ふとまた手に取ってみると、仏教の先生のお話はお説教くさいなぁなどと思ってしまった。しかし、同時に当時、人と上手く接することが出来なくてひどく悩んでいたなか、この本にずいぶん助けられたことを思い出した。今でも思想に影響されてるのだと実感もあった。過去にこのような本に出会えていたことが今の自分の一部となっていたことに改めてありがたいことであったと読書の効果をまたここに知る。2020/12/30
iwri
3
再読。『モモ』の作品論というより、モモに沿わせて、著者の禅思想を語る本、というのが適切であると思う。特に前半の主題となっている自我の問題は、同書の独訳版に収められたエンデと著者との対談で、エンデが語った内容と完全に響き合っている。その意味では、『モモ』を取り上げた本の中では最良の本の一つだと言っていいだろう。もちろん、だからといって、『モモ』のバックグラウンドにあるエンデの世界観を汲み尽くしているわけではないことには留意する必要があるとは思う。2014/01/17