プルースト・夢の方法

プルースト・夢の方法

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  • サイズ B6判/ページ数 250p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784480838018
  • NDC分類 950.28
  • Cコード C3098

内容説明

夢はまだ、闇の中にある。気忙しい日常の中で、科学の進歩に惑わされて、切り捨てられた「目に見えないものたち」。人間の豊かな生の内面の全体をとらえようとするプルーストの、究極の表現の方法を探る深い思索の書。

目次

夜の寝室―序にかえて
第1章 夢のなかへ
第2章 不可能な夢
第3章 闇に目覚めるとき
第4章 夢の方法

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

夜間飛行

58
巨大な迷路に喩えられる『失われた時』を読んでいく際、手掛りとなるのは作品の自己言及性、それに付随した語り手と主人公の交代劇だという。その劇が行われる寝室の闇…ここに原点となる作者の立ち位置があるというのが本書の主旨である。まだ物が名づけられる前の、或いは人間が生まれる前の闇…あえてその不安の中から人間の生を掴もうとしたプルーストとリルケ。作中、語り手は祖母の死後に或る夢を見て打ちのめされる。が、そこから小説を書くという啓示をも得ているのだ。人は《夢の生》を生きている事をプルーストはよく知っていたのだろう。2016/05/20

路雨

0
「読者がプルーストの小説を読みはじめて、最初に直面するのはこの深い闇の体験なのである。小説は一見したところ、主人公が眠りから目覚めた瞬間に、朦朧とした意識がまだすべての記憶を失っていて、内面がまったくの空無な状態にある時点から始まるように見えるのだが、しかし、小説の真の〈始まり〉は意識の目覚めに先立つ、まだ時間の存在しない、すべてが未生以前の状態、いわば無時間のなかに巧妙に置かれていて、世界そのものが出現してくる以前のカオス状態の暗示から小説は始まるといっていいのである。」2025/07/02

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