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内容説明
新聞売りの少年の声、花売りの老女たちの歌…戦前のヨーロッパ各都市を舞台に描かれる、皮肉とユーモアと愛に満ちた小説集。ムーミン誕生以前の初々しい筆致が冴える。イラスト多数!
著者等紹介
ヤンソン,トーベ[ヤンソン,トーベ] [Jansson,Tove]
1914‐2001年。ヘルシンキ生まれのスウェーデン語系フィンランド人。父は彫刻家、母は画家。早くから画家、短篇作家として活躍。児童文学のムーミン、ムーミン・コミックスはじめ、小説作品多数
冨原眞弓[トミハラマユミ]
1954年生まれ。聖心女子大学哲学科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yuzuriha satoshi
32
作者がどんな気持ちで書いていたのかなんてわからない 椎名誠の『岳物語』が教科書に載ったとき、「このとき作者はどんな気持ちでいたでしょう」という問題の回答を見て、「そうか俺はこんなことを考えながら書いていたのか。おれって偉いな」といったという それは正しい でもね。作家が自分の作品に対して、こんな思いを持っていてくれたらいいな、って想像するのは勝手だよね この作品集に載っている『大通り』がトーベのメジャーデビュー すでにこの本の中にはムーミン谷の住民がいます 2014/10/03
わんこのしっぽ
28
トーベ・ヤンソンさんが旅をした街を舞台にした短編集。年代はかなり遡るけれど今その地を訪れたらそのヤンソンさんが感じた街の面影はあるのかな?「ヴァイオリン」「髭」が印象に残ったかな。2014/08/24
ノクターン
25
ムーミンのエッセンスを追いかけて。 場所や登場人物はそれぞれですが、色彩は淡く仄暗い、灰色の空の下でひと続きのような短編集でした。哲学的思索あふれる物語と思いきや、それは画家や変わりものの独身男などに預けて、いかにも現実的なものでした。情景が見えてこない所もトーベヤンソンの挿絵が手を差し伸べてくれます。「カプリはもういや」「髭」など、何となく〝映画ムーミン南の海のバカンス〟を思い出させる。脚本家は参考にしたのだろうか。2019/10/02
がいむ
22
ムーミン作者の初期の短編集、ようやく読めました。装丁、挿絵がとてもお気に入り。若い画家が登場する「髭」、初老の画家か登場する「大通り」がよかった。ストーリーがはっきりあるわけではないけれど、そのシーンが目に浮かぶような、余韻を感じさせるところもよかった。2018/03/03
ワッピー
21
ヤンソン20代の短編集。フランス、ドイツ、スウェーデン、イタリアで繰り広げられる飽き飽きした日常と、思いがけずふりかかったスパイスのピリッとした辛さを楽しむような洒脱さを感じます。「ヴァイオリン」「鬚」「大通り」「手紙」「街の子」「よくある話」「サン・ゼーノ・マッジョーレ、ひとつ星」「カプリはもういや」の8編を収録。ワッピー的には、荒削りながらサキ風味を感じる「よくある話」、「サン・ゼーノ~」の不気味さが印象的でした。挿し絵もヤンソンの手によるもので、絵画風、コミック風、ムーミン風と取り混ぜて楽しめます。2019/04/21