内容説明
魔剣エクスカリバー、円卓の騎士、魔術師マーリン、騎士ラーンスロットの冒険、トリストラムとイソードの悲恋、聖杯探求…。あらゆる英雄譚、恋愛譚、奇蹟譚の伝承が詰まったファンタジーの宝庫―「アーサー王伝説」本シリーズは、１４８５年刊行の原典・キャクストン版を、全訳し紹介する、本邦初の「完訳版」。
著者等紹介
井村君江［イムラキミエ］
栃木県に生まれる。東京大学大学院人文科比較文学文化専門課程博士課程修了。青山学院女子短期大学講師、早稲田大学講師、宇都宮大学講師、鶴見大学教授、明星大学教授などを歴任。ケンブリッジ大学（ルーシイ・キャヴェンデッシュ・カレッジ）とオックスフォード大学（モーダレン・カレッジ）の客員教授。イギリス・フォークロア学会終身会員／国際アーサー王学会会員／フェアリー協会会長／福島県金山町妖精美術館名誉館長（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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syaori
40
今巻も引き続きトリストラム卿の冒険。トリストラム卿の物語にあまり触れていないので、パロミデス卿をはじめ、軽口ばかりだけれど優秀なディナダン卿やラモラック卿などの物語はとても新鮮です。個人的に道ならぬ恋の苦悩など振り切ってしまっているようなトリストラム卿に代わりイソードへの叶わぬ恋に苦しむパロミデス卿には同情ばかり。彼らに加えラーンスロットまで顔を揃えるロネゼップの馬上槍試合は華やかで読み応えがありました。ようやくパロミデス卿の恋に気付いたトリストラムが決闘を申し込むも狩の傷でお流れになったところで次巻へ。2017/10/24
em
14
「遍歴の騎士は相手の騎士が望もうと望むまいと、戦いを挑むのが習わし」。『トリスタン・イズー物語』に比べ、騎士の行動は個人的感情よりも血縁や因果、騎士の論理が強いよう。突然の暴挙に驚かされつつ、細かいツボが多くて癖になります。尊敬を集めるラーンスロットでさえ、敵・仲間問わず無差別攻撃する謎の散歩？に出たり、怒るとうつ伏せでふて寝（立派な騎士のやり方）をしたり。活躍する騎士のほとんどが気高さとずるさの両面を持っているのが物語を豊かに、魅力的にしていて、子どもの頃好きだった冒険物もそうだったと懐かしい気持ち。2017/11/26
明智紫苑
10
丸々トリスタン祭り。本来ならば、トリスタンとイゾルデの話はアーサー王伝説とは別物だったので、まさしく「ぶっとい蛇足」なのだが、それにしても、パロミデスが気の毒だな。トリスタンよりもパロミデスやディナダンを好きになったのは私だけではないかもしれない。2016/12/13
viola
10
読んでいる人が減っている・・・やはり1巻でやめてしまう方が多いようですね。3巻より1,2巻の方が面白かったです。どんどん本筋からずれていっている気が否めない（笑）ので、読む前に関連書読んでおいて良かった！ この3巻はひたすらトリスタンがメインです。映画『トリスタンとイゾルデ』では素晴らしかったマーク王が・・！『アーサー王物語』でここまで皆に嫌われる人物も珍しいですね。美しきイソードを愛してしまったパロミデス卿の愛が美しいです。「それでもなお、わたしはあなたと同じく生涯あの方を愛し続けるでしょう。」2011/03/06
マーブル
7
四六時中闘っている。 冒険を求め遍歴し、出会った騎士と闘う。 あちこちで開催される馬上試合に出場し、栄誉を求め闘う。 馬から落とされるのが不名誉なことのようだ。 騎士たるもの馬上になければ。 試合で馬から落とされると、味方が助けに来て敵の馬を奪い、それに乗せる。 騎士には馬が付き物のようだが、それは名前をつけて愛馬とするほどではないのか。 赤兎馬や黒王号はいないようだ。 2019/05/10
