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内容説明
感動の名作『アフリカの日々』で一躍文名を馳せた著者の最後の作品。ケニアのコーヒー園での日々を回想する心暖まる好短篇集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぱせり
12
思い出の人々を文章に蘇らせながら、思い出のアフリカを浮かび上がらせようとし、アフリカへの憧れと思慕とを描きだしているように感じる。アフリカを去った後、彼女は人々と、ずっと連絡を取り続けていた。そのことが、かえって両者の距離を強調するように感じることもある。変わっていくもの・変わらないものとを見比べながら、両者の圧倒的な距離を感じている。2016/05/14
qoop
5
「アフリカの日々」補遺といった趣き。前作に収録するつもりで書かれた三遍と晩年に書かれた最後の一編をまとめているが、時期に差はあっても色合いは変わらず。著者にとってアフリカ生活がどれほど色褪せず重要な出来事だったかが理解できる。それにしても、著者帰国後に続くアフリカの人々との交流を書いた〈山のこだま〉がまとう余情は圧巻。故郷と旅中という違いはあれど、芭蕉の〈夢は枯野をかけ廻る〉が浮かんだ。強弁すると、作家としての著者にとってはアフリカの地こそ故郷ではないか、とも。2017/04/23
堆朱椿
2
ブリクセンのエッセイ。この人の文章、大好き。彼女がふり返るアフリカ世界の豊かさが印象的。巻末の年譜によると筆者は病苦やトラブルに悩まされたようだが、著作からその苦しさや悲しさを伺い知る事はできない。大切な美しい思い出をポジティブに語る。常に優雅で豊穣。私はもう、すっかり彼女のファンです。2015/03/27
ちあき
1
『アフリカの日々』に収録されるはずだった原稿を含む、生前最後に出版された本。ケニアの農園での生活、そこでかかわりのあった人たちへの思いが、簡素ながらも滋味にみちた文章でつづられる。こんな回想録を残してくれた人の存在、そしてその回想録が世界じゅうの人に読まれているという事実が、ぼくを励ましてくれるように思える。2008/12/05
Maumim
0
1998年2月8日読了。