内容説明
ジョン伯父さんは、金曜日に作家を休業する、すばらしい博識とユーモアに溢れたエッセイの筆を執るために。千一夜物語からボルヘス、カルヴィーノまで、現代アメリカ文学の総帥が、文学の楽しいプログラムを奔放に語る待望のポストモダン文学大全。
目次
ほかの語り方でほかのストーリーを語らないでぼくが語るようにストーリーを語るいくつかの理由
宇宙の作り方
同じことの続き
『ロデリック・ランドム』あとがき
ミステリーとトラジディ―儀式的武勇の対の運動
ミューズよ、私を割愛せよ
認知されることについての悲劇的な見方
尽きの文学
フィクションにおける散文的なものの役割
文学賞についての悲劇的な見解
文学の未来と未来の文学
補給の文学―ポストモダニスト・フィクション
アメリカの新小説〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミムロ犬
3
ジョン・バースの講演集。かの有名な「尽きの文学」などが収録されていて基本的にはバースの文学観を知る一冊になっているわけだけど、この本の白眉はワタリガニの絵の話。ワタリガニをこう描くとそのへんの飲み屋の飾りに収まり、こう描けばルーブルからもお呼びがかかるんじゃないかという話(あくまでもバースはメタフィクショニストなので、絵画手法の話ではなくて語りの技法にも通ずるモチーフの使い方の話)。一見しょうもない題材が終わってみれば特上の題材となっていたこんな文章を読むと、やはりバースとんでもねえという気分になる。2018/01/31
さぼ
1
④ 『柴田さんと高橋さんの小説の読み方、書き方、訳し方』の中でバースの話がちょっとばかし取り上げられていてずっと気になっていた。二人が対談で話題にしたテーマはこの本では薄まっているので先の本から期待して入ると悔しい思いをするかも。それはそれとしてバースの文学観に触れられる貴重な一冊。語り口がとても読みにくい。2014/03/02
丰
0
Y-102010/06/18
誰パンダ
0
バースで最初に読んだ本。ミューズがどうたらこうたら。次は仲買人を読もう。