中里介山『大菩薩峠』とその時代 - 生成・受容・変換のクロニクル

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中里介山『大菩薩峠』とその時代 - 生成・受容・変換のクロニクル

  • 紅野謙介
  • 価格 ¥6,600(本体¥6,000)
  • 筑摩書房(2026/07発売)
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  • サイズ B5判/ページ数 512p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784480823854
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0095

出版社内容情報

学術書なのに面白い!――スタジオジブリ 鈴木敏夫



各界から多大な支持を得ながらも文学史的な位置を与えられなかった希代の長篇小説を、作家・作品論的視点に同時代史的視点を加味して多面的・俯瞰的に考察する。



「『大菩薩峠』との出会いは、小学生の時に観た内田吐夢監督の映画だった。机龍之助が見せる「音無しの構え」に、子どものぼくは息を呑んだ。以来、この未完の大長編を二度読んだ。そして死ぬ前に、もう一度、読んでみようと思っている。なぜ、この終わりなき物語は、人をこれほど惹きつけるのか。なぜ、目的もなく漂泊をつづける龍之助に、日本人は自分を重ねてしまうのか。紅野謙介さんは三十年をかけて、その謎に挑んだ。本書を読むと、『大菩薩峠』とは単なる剣豪小説ではなく、日本人の精神の深いところに触れてしまった作品なのだと、あらためて気づかされる。(鈴木敏夫)」



【目次】

はじめに



序章 生成・受容・変換のクロニクル

◇初出の時系列 ◇連続と切れ目 ◇私家版『大菩薩峠』

◇商業出版としての成功 ◇演劇・映画における変換のゆくえ

◇戦後の受容 ◇反復する受容と変換



第一章 言葉が言葉を誘発する

1 読書の作法と個人雑誌

◇介山の読書作法 ◇独学と編集力 ◇『独身』と『親様』

◇個人雑誌『手紙の代り』 ◇言葉の運動へ

2 介山文庫と「一介の愚人」

◇中里介山文庫 ◇和漢書の傾向 ◇書き込みの痕跡

◇「一介の愚人」という署名 ◇長谷川芳之助を追悼する

◇岡田虎二郎の「静坐」

3 投書・懸賞・新聞

◇投書家時代 ◇『平民新聞』の懸賞小説

◇社会主義と俚謡への関心 ◇平民社からの離脱

◇ 説話から創作へ ◇読むことと編集すること

◇読書人・介山 ◇旅する言葉

4 ジャンルの掟と運動する言葉

◇新聞小説への挑戦 ◇講談落語からの改革 ◇ 職人作家・渡辺霞亭

◇場面、会話、冗長性 ◇『氷の花』とキャラクター

◇『高野の義人』の劫火 ◇ジャンルとの葛藤



第二章 語りと文体

1 改変されるテクスト――初出から初版へ

◇全体と部分 ◇改変のグラフ ◇小説における語り

◇書き出しはどう違うか ◇時間のずれ ◇説話的な文体へ

◇机龍之助の登場シーン ◇物語における改変

2 「カルマ曼陀羅」の話法

◇作者による自注 ◇群像劇あるいはアンサンブル

◇「甲源一刀流の巻」から「龍神の巻」まで

◇「間の山の巻」と拡散する主体 ◇交差と切替え

◇物語の多元宇宙 ◇「カルマ曼荼羅」の話法

3 紙上のユートピア

◇分有される「悪」 ◇『夢酔独言』を読む ◇ 女王の理想郷

◇無名島の幻想と農本主義 ◇議論につぐ議論

◇語り手もまた脱線する ◇紙上のユートピア

4 流れ出す音、越境する声

◇宮城道雄と内田百閒 ◇入り口としての「間の山節」 

◇音と声の多様性 ◇流れ出す音、越境する声

◇起源への探究と終わりなき旅 ◇氾濫する歌謡/音曲



第三章 「文学場」の変容

1 岡千代彦「自由活版所」と印刷のネットワーク

◇文学と印刷技術 ◇『大菩薩峠』を印刷

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