内容説明
古今集の感性をよみ、ことばのしらべをきく。ことばが単に伝達の道具でしかない言語世界には詩は成立しない。こころをことばで言い整えるということ、古今集を詠み読んだ人々の関心はそこにあった。こころがことばの可能性に托されて結晶したものが和歌にほかならなかったのである。この三十一文字文学の恋歌を丹念に辿って《人の世の中》を見る潔い古典評論。
古今集の感性をよみ、ことばのしらべをきく。ことばが単に伝達の道具でしかない言語世界には詩は成立しない。こころをことばで言い整えるということ、古今集を詠み読んだ人々の関心はそこにあった。こころがことばの可能性に托されて結晶したものが和歌にほかならなかったのである。この三十一文字文学の恋歌を丹念に辿って《人の世の中》を見る潔い古典評論。