出版社内容情報
行動的な作家だった開高健は企業文化のプロデユーサーとしても活躍し、多くの業績を遺した。長年の交流をもとにその素顔に迫る。
小玉 武[コダマ タケシ]
内容説明
最後の同時代者の記録と証言。詳細年譜付き。
目次
プロローグ―文学と実生活
第1章 朝露の一滴のように―記憶の欠片
第2章 抒情と造型―習作時代
第3章 サントリー宣伝部―その黄金時代へ
第4章 熱い歳月―昭和三十年代
第5章 『日本三文オペラ』の衝撃―荒地と祝歌
第6章 『ベトナム戦記』―癒えない闇
第7章 女たちのロンド―『夏の闇』
第8章 やってみなはれ!―年月のあしおと
第9章 『オーパ!』の“功罪”―逃走の方法
エピローグ―青空が流れる
著者等紹介
小玉武[コダマタケシ]
1938年東京生れ。神戸、横浜で育つ。早大在学中は「早稲田大学新聞会」に所属する。62年、サントリー(株)宣伝部に入社し、広告制作のほかPR誌『洋酒天国』の編集に携わる。79年『サントリークォータリー』を創刊し、編集長を務める。広報部長、文化事業部長等を歴任し、その間、出向中のTBSブリタニカ取締役出版局長の時には『ニューズウィーク日本版』創刊にも参画する。99年から早大(参与、顧問)、戸板女子短大(評議員)の教壇に立ち、早大では2015年3月まで石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞事務局長を務めた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まちこ
30
《図書館本》途中断念。教員をしていた父の早世が幼い開高健に与えた影響を考えると忍びない。いつの時代でも間の悪い事ってあるし開高にだけ起きたことではない。そういう思春期をおくりながらひたすら書くことで生き方を模索したのか、書くこと自体が生きることだったのか。縁にも恵まれたように思う。働きながら取材して作品を書き上げることは大変だったろう。改めてまず『パニック』と『裸の王様』を読んでみたい。2017/06/30
田中峰和
6
開高健は芥川賞作家でありながら、多方面に活躍し過ぎたせいか小説家としての評価は低い。極貧の彼にとって生きることと書くことで手一杯、時間の余裕はなかった。大学生で付き合った7歳の年上の女性とデキちゃった婚。壽屋入社で生活の目途はついてもそれで収まらないのが開高。サントリー宣伝部を軌道に乗せた途端、芥川賞受賞。やがてルポライターとしての作品が知名度を上げるが、ベトナム戦争従軍記事が彼の運命を変える。小説の文体でルポを書く彼の評価は上がったが、米軍の枯葉剤散布が彼の命を縮めた。58歳の短い生涯を生き急いだ。2017/07/10
nilssonia
2
巨匠の人生を丁寧に書き記してくてれてます。何の因果か不運に見舞われてしまった開講家。巨匠のDNAを受け継いでくれる人はいません。機会を作って著書を再読したいと思います。2017/07/24
ナッキャン
1
開高健(20代の頃はケンって読んでたわ)、大阪生まれのオモロイオッサン、評伝通り小説家開高健演じきり、伝説となった、稀な人物やと再認識させてもらいましたわ。成長の息吹が芽生えてきた昭和30年代、文學界が現代文學、近代文學の鬩ぎ合いや文壇の批評合戦が、この小説家をパワーアップさせたんやね。伝説的な名コピーライタと業界で知れ渡たり、何が凄いか理解でけへんかったけど、小説+広告を知れば知るほど、凄味を感じる。でも、広告も一生懸命、小説は更に一生懸命がこのもの書きを、苦しめたんやろなぁー。巡り会えて幸せです。合掌2023/02/17
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